来週、10月第3週(15~18日)は、14日の月曜日が「体育の日」で祝日休場なので4日間の取引。14日はアメリカでは「コロンバス・デー」の銀行休業日で債券市場、為替市場は休場するがNY証券取引所やCMEは通常取引。ただし商いは例年、非常に薄くなる。世界各国で休場が多い週で、14日はカナダ(感謝祭)、香港市場(重陽節の翌日)、15日はシンガポールSGX(ハリラヤハジ)、16日はインド・ムンバイ市場(イスラム教謝肉祭)が休場する。14日にノーベル経済学賞が発表されてノーベル賞ウィークは終了する。17日は、アメリカのルー財務長官によれば、この日までに連邦債務上限が引き上げられないと米国債のデフォルト(債務不履行)が起き、世界経済が大混乱に陥るという。
国内の経済指標は、15日は8月の鉱工業生産指数確定値、稼働率指数、16日は9月の首都圏新規マンション販売、18日は9月の全国百貨店売上高が、それぞれ発表される。15日には安倍首相が「成長戦略実行国会」と名付けている臨時国会が召集される。会期は12月6日まで。
主要企業の決算発表は、15日はウエストHD<1407>、鉄人化計画<2404>、夢の街創造委員会<2484>、キャンドゥ<2698>、ドトール日レスHD<3087>、ウエルシアHD<3141>、古野電気<6814>、サマンサタバサジャパン<7829>、アデランス<8170>、松竹<9601>、文教堂HD<9978>、大庄<9979>、16日はブロンコビリー<3091>、総合メディカル<4775>、スーパーツール<5990>、小松ウォール工業<7949>、17日は安川情報システム<2354>、ワイ・イー・データ<6950>、18日は東京製鐵<5423>、安川電機<6506>、ジャフコ<8595>、光世証券<8617>。週の後半の安川電機あたりから3月期決算主要企業の9月中間期決算発表が始まり、月末月初頃がピークになる。
海外の経済指標は、14日は中国の9月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)、ユーロ圏の8月鉱工業生産指数、15日はフランス、英国の9月の消費者物価(CPI)、ドイツの10月のZEW景況感指数、アメリカの10月のNY連銀製造業景気指数、16日は英国の9月の失業率、ユーロ圏の8月の貿易収支、9月の消費者物価(CPI)確報値、アメリカの9月の消費者物価(CPI)※、8月の対米証券投資※、10月のNAHB住宅市場指数、地区連銀経済報告(ベージュブック)、17日は英国の9月の小売売上高、ユーロ圏の8月経常収支、アメリカの9月の住宅着工件数※、建設許可件数※、鉱工業生産指数※、設備稼働率※、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、9月の北米半導体製造装置BBレシオ、18日は中国の7~9月期の国内総生産(GDP)、9月の鉱工業生産、都市部固定資産投資、小売売上高、アメリカの9月のCB景気先行総合指数などが、それぞれ発表される。14日と18日の中国の発表ラッシュは要注目。4日の発表が延期になったアメリカの雇用統計も、過去の政府機関閉鎖の際は約2週間遅れだったので、来週中に発表があるかもしれない。
(※印のアメリカの経済指標は連邦政府機関が発表するので、政府機能の一部停止で発表が延期になる可能性がある)
14日にユーロ圏、15日に欧州連合(EU)全体の財務相会合がルクセンブルクで開かれる。同じ14日には任期満了まであと3ヵ月余りのバーナンキFRB議長の講演がある。
アメリカ主要企業の決算は7~9月の第3四半期の発表が月末にかけてピークを迎える。15日はコカ・コーラ、シティグループ、インテル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、16日はバンク・オブ・アメリカ、イーベイ、IBM、アメリカン・エキスプレス、サンディスク、17日はグーグル、ベライゾン、ゴールドマン・サックス、ニューコア、インテューイティブ・サージカル、AMD、8日はシュルンベルジェ、モルガンスタンレー、GEが発表を予定しており、その業績がアメリカの株式市場に影響を及ぼしそうだ。
今週の日経平均は、ノーベル賞の日本人受賞者が誰も出なくても7日の安値13841円から11日の高値14447円まで600円を超える上昇をみせ、終値ベースでようやく25日移動平均線の上に出て、アメリカの連邦政府機関閉鎖が始まる直前の10月1日の14400円台まで戻ってきた。その2営業日前の9月27日、高値は14817円まで上げて「15000円チャレンジ」の態勢になっていた。単純に考えれば、キャピトル・ヒルの与野党間で話がついて政府機関閉鎖が解かれ、債務上限問題で少なくとも17日に米国債のデフォルトが起きる事態が回避されれば、為替のドル円レートは100円前後まで戻り、日経平均は15000円にチャレンジできる、ということになる。それを後押しするのは「気分」だ。
10月8日午後に発表された9月の景気ウォッチャー調査は、現状判断が52.8で8月調査から1.6ポイント上昇し6ヵ月ぶりに改善した。先行き判断は54.2で3.0ポイント上昇で、内閣府は景気判断を「着実に持ち直している」に上方修正した。通称「街角景気」と呼ばれるこの調査は「気分次第の経済指標」とかねてから批判されているが、9月の東京五輪決定直後の日本国民の浮かれ気分が、いかに大きかったかを物語る。9月の株価もそれを反映し、日経平均の月間の上昇幅は1066円に達していた。
それが10月第1週に崩れて7日には9月の上昇分の「半値落ち」まで下げてしまったのは、短期調整の潮時や消費増税決定もさることながら、アメリカ政界の混乱の影響で投資家の気分が凹んだことが大きい。もし、その問題が解決して連邦政府の機能も財政ファイナンスも正常化すれば、よその国の話とは言え、気分の上では「台風一過の日本晴れ」になりそうだ。台風で傷んだ個所を直し、濡れたものを干して後片付けに追われながら、ひどい嵐が去って天気は上々、抜けるような青空のもとで心も軽く、という気分である。