パナソニック、プラズマテレビから撤退

2013年10月13日 18:32

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パナソニックは2期連続で7500億円を超える最終赤字を計上しており、経営悪化の原因となっている「テレビ事業」の立て直しが急務となっていた

 経営立て直しをはかっているパナソニック<6752>は、日本の家電メーカーが開発をリードし続けていた「プラズマテレビ」を手がける国内最後のメーカーとして最後まで残っていたが、2013年度末でその生産を停止し、事業から撤退する方針を固めた。これにより、国内で「プラズマテレビ」を生産する家電メーカーはなくなり、薄型テレビの市場は事実上、「液晶テレビ」に絞られることとなった。

 パナソニックは2期連続で7500億円を超える最終赤字を計上しており、経営悪化の原因となっている「テレビ事業」の立て直しが急務となっていた。そのため、特に採算が悪化していた「プラズマテレビ」の生産に対して、今回こうして終止符を打つ形となった。パナソニックは当初、「プラズマテレビ」は「液晶テレビ」よりも大画面の画質は鮮明だとしており、それを薄型テレビの主力とし、兵庫県尼崎市に3つの工場を建設するなどの投資を行っていた。しかし薄型テレビ市場では、技術開発に伴い生産コストを抑えることが出来るようになった「液晶テレビ」のシェアが拡大した。こうした状況を踏まえた上で、今回の決断が下されたものと思われる。

 パナソニックは月内にも、「プラズマテレビ」の生産停止、また、事業撤退を発表する予定。「プラズマテレビ」の新規開発はすでに中止されており、唯一の「プラズマテレビ」生産拠点であった尼崎工場も、第1棟と第3棟の生産が停止されている。残りの第2棟の生産も今期末で停止される見通し。これにより、2000年代初頭から進めてきたパナソニックの「プラズマテレビ」事業は、完全に終了することとなる。

 尼崎工場は、すでに第1棟と第3棟の設備や建物の減損処理を終えており、今期の「プラズマテレビ」関連の構造改革費用は第2棟の建物だけが対象になる。その第2棟で働く従業員400~500名に関しては、配置転換を行う。生産を終了する尼崎工場は、売却を含めて活用を検討する。

 「プラズマテレビ」の販売は在庫がなくなり次第終了となる。これにより、パナソニックのテレビ事業は「液晶テレビ」一本に絞られることになる。(編集担当:滝川幸平)