採用に「企業の2枚舌禁止」を NPOが指摘

2013年10月20日 13:18

 NPO法人の自殺対策支援センター・ライフリンクは就職活動中の学生の意識調査も実施しているが、それらのデータ分析から「企業の採用活動のあり方」に厳しい指摘、改善を19日までにまとめた。

 改善のトップは「企業の採用においての2枚舌の禁止」だった。ライフリンクによると「多くの企業が経団連の倫理憲章に従うと謳っておきながら、実際はセミナーや社員と語る会と称し、水面下で学生に接触し、実質的な採用活動を行っている」と指摘。

 「採用活動で企業の二枚舌を是正しない限り、就職活動の(建て前の)開始時期をいくらずらしても意味がない」と警鐘。「いま以上に就活生を混乱に陥れることになる」と警告している。

 また「就職活動を始める段階になって働くことについて考える機会を持てたという学生が少なくない」とし「もっと前から働くことに対して考えておかなければならなかったと後悔などの声も多く、慌ただしく自己分析を行うなどして不本意な就活をせざるを得なかった学生が少なくないのでは」と疑問をなげた。

 「大学進学が目的化している教育システムをあらため、社会で生きていくこと(働くことも含む)を念頭に置いた教育に変えていくべき」と提言。「すぐに実現できなくても、働くことについて考える機会を小中学校・高校で段階的に設けていくべきだ」とした。

 そうした取り組みにより「子どもたちの学ぶ意欲の向上(動機付け)や企業と学生のミスマッチや3年以内離職率の改善、地域と学校との連携(地域の様々な大人が自らの仕事についてゲストスピーカーとして学校で語るなど)の促進にもつながる可能性もある」としている。(編集担当:森高龍二)