11月1日のNYダウは69ドル高と反発。好調な中国のPMIを背景に高く始まり、10月のISM製造業景況指数が2年半ぶりの高水準で市場予測を上回ると一時、上昇幅が100ドルを超えた。その後はAIGやシェブロンの決算がふるわなかったこともあり売り買いが交錯してマイナスまで下がる場面もあったが、徐々に値を戻した。
サマータイム終了でNY市場の取引終了は日本時間で午前6時、シカゴCMEの清算値算出は7時15分に変わり、4日のNYダウは23ドル高。マイナスの時間帯もあり株価の勢いは弱かった。製造業受注は政府機関閉鎖の影響で遅れていた8月分と9月分が一緒に発表され、8月は0.1%減、9月は1.7%増だった。ケロッグの決算は良く、身売り話が頓挫したブラックベリー株が急落した。5日朝方の為替レートは、ドル円は98円台後半、ユーロ円は133円台前半で、前週末比でドル円は少し円安に動いていた。
3連休明け、カラ売り規制緩和後初日の日経平均は118.18円高の14319.75円と3日ぶりに反発して始まる。しかし9時台は上げ幅を圧縮し、10時30分をすぎると為替の円高を伴って急落する。前引けは14179円で小幅安。後場は12時台に14263円まで上昇するが、その後は14250円まで届かず、前日終値近辺でもみあう展開。大引けでプラスに転じ、終値は23.80円高の14225.37円だった。日経新聞朝刊1面に「上場企業の増収増益が6割」という9月中間期決算の総括記事が出ていたが、業績と日経平均はやはり別物か。TOPIXは-0.45の1182.58で3日続落。売買高は26億株、売買代金は2兆1364億円だった。
値上がり銘柄は806、値下がり銘柄は810で均衡。東証1部33業種別騰落率のプラス上位は石油・石炭、証券、その他製品、海運、水産・農林、情報・通信など。マイナス下位はゴム製品、パルプ・紙、電気・ガス、鉄鋼、輸送用機器、空運などだった。
日経平均プラス寄与度1位はソフトバンク<9984>で+18円。売買代金1位で、マイナスに何度もタッチする相場を終日下支えしていた。マイナス寄与度1位、2位はファーストリテイリング<9983>とファナック<6954>だったが、合計でも-11円でそれほど強く足を引っ張ったわけではなかった。
メガバンクはみずほ<8411>値動きなし、三菱UFJ<8306>2円安、三井住友FG<8316>5円高でバラバラ。証券株は好調で、野村HD<8604>11円高、大和証券G<8601>29円高。自動車はトヨタ<7203>が10円安、三菱自動車<7211>が46円安など軟調で、通期の営業利益見通し1700億円と過去最高を更新し20円増配の見通しのスズキ<7269>も20円安に沈んだ。
ムーディーズが格付けの引き下げの検討を始めると報じられたソニー<6758>は1円高。シャープ<6753>は14円安。パナソニック<6752>は21円安。セイコーエプソン<6724>は前週の決算のポジティブサプライズの余波が続いて71円高。イビデン<4062>は9月中間期の営業利益が78%増。通期の営業利益を180億円から210億円に上方修正して101円高だった。
円安効果が出たクボタ<6326>は9月中間期の営業利益が1000億円で過去最高を更新し114円高で値上がり率12位。ミネベア<6479>は通期業績見通しを上方修正しストップ高の89円高と買われ値上がり率2位に入っていた。
熊谷組<1861>は9月中間期で3期ぶりに最終黒字化だったが値動きなし。7~9月の公共工事の請負額が前年同期比で横ばいで、建設需要の年明け息切れ観測も出ているが、三井住友建設<1821>の人気は衰えず2円高でこの日も売買高1位に入っていた。「電線地中化」関連の古河電工<5801>は14円高。ブラジル沖の1000億円強規模の海上石油・天然ガス設備を受注というニュースがあった三井海洋開発<6269>は112円高だった。
総合商社2社の9月中間期決算が後場発表され、三井物産<8031>は市場予測よりも下振れして発表後下落して32円安だったが、伊藤忠商事<8001>は純利益が16%増の1651億円で市場予測を上回り、終値は37円高と明暗を分けた。
3日に東北楽天ゴールデンイーグルスが日本シリーズを制覇した楽天<4755>はご祝儀も含まれたか16円高。前週、ショッキングな下げ方をしたガンホー<3765>は1900円安で5日続落。「ただの踊り場」という楽観論、「パズドラもそろそろ限界か」という懐疑論、「パズドラこければみんなこける。早く避難しよう」という悲観論が交錯する。
この日の主役は日産<7201>。9月中間期決算の営業利益は2.6%減で、決算発表済みの自動車大手6社中、唯一の減益決算。通期見通しの営業利益を6100億円から4900億円に下方修正し、10.41%下落の100円安で値下がり率3位。中国での販売回復がトヨタやホンダに比べて出遅れていると言われるが、役員人事を一新して出直せるか。(編集担当:寺尾淳)