自動車はホンダ<7267>は50円高だったが、トヨタ<7203>20円安、三菱自動車<7211>5円安、マツダ<7261>値動きなしなど全体にパッとしない。ソニー<6758>は新型ゲーム機「PS4」が北米市場で15日に発売され24時間で100万台以上が売れる上々の滑り出しで16円高。クリスマス商戦に勝負をかける。パナソニック<6752>は11円安、シャープ<6753>は3円安。ニコン<7731>はクレディスイス証券が投資判断を引き下げて15円安だった。
鉄鋼セクターは新日鐵住金<5401>が5円高など好調。前週は金融緩和期待で上昇した不動産は、東京建物<8804>は15円高で年初来高値を更新したが、三菱地所<8802>は27円安、三井不動産<8801>は値動きなし。不動産証券化のケネディクス<4321>は5円安で、いちごHD<2337>は公募増資と第三者割当増資で171億円を調達すると報じられ希薄化懸念で15円安だった。
太陽光発電の電力買取価格を2015年度に約2割引き下げる案を経済産業省が検討というニュースが関連銘柄の株価を冷やした。京セラ<6971>は6日ぶりに反落し90円安で日経平均マイナス寄与度2位。サニックス<4651>は97円下落し値下がり率2位。太陽光発電に力を入れる昭和シェル石油<5002>も30円安と売られたが、SBエナジーでメガソーラーも家庭用も展開するソフトバンク<9984>は30円高だった。買い取る側の東京電力<9501>は1000~1500人規模の希望退職募集という報道があり1円高。新エネルギー関連では岩谷産業<8088>が燃料電池車に補給する水素ステーションの基幹装置の生産を開始すると報じられ21円高で3日続伸し年初来高値を更新した。内製化でコストダウンして建設費は半分以下という。
好材料が重なり15日にストップ高になったドワンゴ<3715>は、この日も一時ストップ高で値上がり率2位の374円高。売買高8位、売買代金1位と人気沸騰。新興市場では楽天<4755>が124円高で年初来高値を更新。傘下に楽天銀行、楽天証券があるので金融緩和恩恵組とみなされたか。22日付の東証1部への指定替えが発表された空運のスカイマーク<9204>はTOPIXインデックス買いが入ったか30円高と大幅続伸した。
この日の話題の主役は「中国の『一人っ子政策』緩和」。15日に国営新華社電で高齢化を食い止める「3中全会の決定」として伝えられた。現在は2人以上の子どもを持てる条件は「両親とも一人っ子」だが、これを「両親のどちらかが一人っ子」に緩和するという内容で、全面解禁ではなく緩和時期も明らかでないが、兜町は「中国で出産増、赤ちゃん市場拡大」を見込んで敏感に反応した。
焦点は日本の技術が中国の消費者の間でも評判な「紙おむつ」で、ユニ・チャーム<8113>は260円高、ピジョン<7956>は340円高で値上がり率13位、王子HD<3861>は1円高で、大王製紙<3880>は2円高で年初来高値を更新した。紙おむつ用の高吸水性ポリマー樹脂を製造する日本触媒<4114>は6円高、三洋化成工業<4471>は5円高、住友精化<4008>は20円高で年初来高値を更新した。紙おむつの製造機械を供給している瑞光<6279>も350円高だった。
もっとも中国には、罰金や不利益を恐れ親が出生登録せず戸籍上は存在しないことになっている子ども「黒孩子(ヘイハイツ)」が相当数いるといい、規制緩和でマーケットがどれほど拡大するか不透明な部分もある。(編集担当:寺尾淳)