自民党の中谷元筆頭理事は特定秘密保護法案について、自・公に加え、みんなの党や日本維新の会との修正協議での合意を19日正午までに取りまとめたい意向を示していることについて、菅義偉官房長官は18日夕、「まさに中谷筆頭理事が最前線の現場で取り組んでおられるので、現場に任せている」と法案修正で4党合意をめざす方向に理解を示した。
民主党はさきに法案の問題点など50項目にわたる課題を整理し、19日に対案をまとめる考えだが、これに対する対応についても「現場に任せている」と答えた。
また自民党は党のHPで特定秘密について「特定秘密は法律の別表に限定列挙された事項に該当するものに限って大臣等が指定する」とし「原発事故やTPP交渉に関する情報は本法案の別表のいずれにも該当せず、特定秘密指定の対象にならない」と説明。
「違法行為を隠蔽するために特定秘密に指定されたとしても、このような指定は有効なものではなく、これらの事実について内部告発された場合、特定秘密の漏えいには該当せず、通報した者が処罰されることはない」とも説明した。
党が特定秘密にあたる例として説明している内容をみると、(1)防衛に関する事項では、防衛、警備等に関する計画、防衛に関し自衛隊が収集した画像情報、自衛隊の部隊等が作戦行動等の際に他の部隊等との通信内容を秘匿するために用いる暗号、潜水艦のプロペラの材質又は形状、戦車等の装甲厚、誘導弾の対処目標性能、潜水艦の潜水可能深度など。
(2)外交に関する事項では、領域の保全に関する外国との交渉のための対処方針、北朝鮮による核・ミサイル・拉致問題に関するやり取り、外国が弾道ミサイルを発射した場合に執る措置(入国禁止、貨物の輸出入の禁止、関係団体等の資産の凍結等)の方針、我が国の安全保障に影響を与えるA国の政府の外交方針に関して情報保護協定に基づき友好国Bの政府から提供を受けた情報、公電に用いる暗号など。
(3)特定有害活動の防止に関する事項では、外国からの不正アクセスによる政府機関の情報窃取を防止するために講じる防護措置、大量破壊兵器関連物資の不正取引を防止するための計画、外国の情報機関から秘密の保全を前提に提供を受けた大量破壊兵器関連物資の不正取引に関する情報、情報収集活動の情報源など。
(4)テロリズムの防止に関する事項では、重要施設の警備の実施計画、重大テロが発生した場合の治安機関の対処方策、外国の情報機関から秘密の保全を前提に提供を受けた国際テロ組織関係者の動向、情報収集活動の情報源などをあげており、相当広範にわたっていることがわかる。(編集担当:森高龍二)