虚偽表示防止へ明快なガイドラインと罰則強化を

2013年12月21日 13:15

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東京オリンピックやパラリンピックまでに世界において、日本の食品表示に対する絶対的な信頼回復が必要だ。

 「大和肉鶏の鍋」。大和肉鶏を仕入れずになぜ提供できるのか。何というチェック体制か。「おせち料理」にブラックタイガーを使用し「クルマエビ」との表示。これらに消費者庁が『食材の虚偽表示』として指導し、排除命令するだけで片付けられるところに問題がある。

 当然、食材に見合った価格設定だろうし、客は、その食材ゆえに値が張っても食したいと思う。ゆえに、虚偽表示防止には消費者庁は「明快なガイドライン」の設定と故意はもちろん、過失であっても消費者の信頼を裏切る行為として『厳しく罰則を科すべき』だろう。再発防止には、こうした面の検討は欠かせない。今後、必要な法改正で消費者が納得できる「適切な措置」をとっていくべきだろう。

 「虚偽表示」は商品に対する責任を持つべき提供者による明らかな消費者への裏切り行為と認識すべき。東京オリンピックやパラリンピックまでに世界において、日本の食品表示に対する絶対的な信頼回復が必要だ。猜疑心をもって日本を代表するようなレストランでのメニューを食して頂くわけには行かない。

 今回の問題は利益最優先の体質が招いた事態といえないか。消費者庁から景品表示法違反で措置命令を受けた3社(近鉄が運営するホテルや阪急阪神ホテルズ、阪神ホテルシステムズ)で15施設、55の料理に景品表示法違反に該当するものがあったという。

 阪急阪神ホテルズは「措置命令を真摯に受け止め、ホテル業の原点に立ち戻り、何より誠実さを大切にしたサービスを肝に銘じ、信頼頂けるホテルへ生まれ変わる所存」と20日付けの日経にお詫びを掲載した。

 近鉄も「措置命令を真摯に受け止める」とし「従業員への計画的な教育、研修を実施する」。「メニューなどの表示と使用食材を定期的にチェックする体制を構築する」と掲載した。

 また、社外有識者による委員会を設け「問題の発生原因の究明と再発防止策の策定に取り組み、信頼回復に努める」とし、社外チェックでの客観性の高い原因究明と再発防止に取り組む姿勢を示した。

 その実効がどこまであがるかは、今後に待つしかないが、行政として、消費者庁は食材表示のガイドラインを早期に決め、業者側に『この表示は問題ないと思っていた』などと言い逃れされないような、また本当に業者が判断不明になるようなややこしいガイドラインにならないよう、明快なガイドラインを作成して頂きたい。

 消費者庁のガイドライン案によると「ロブスターを伊勢エビ」「低脂肪乳を牛乳」「牛脂注入加工肉をステーキ」「ブラックタイガーを車エビ」などは当然、問題としている。しかし、今回の問題を踏まえ、かなり広い範囲でガイドラインを示す必要が浮き彫りになっている。また、これらに従わなかった業者に対して相応の罰金や営業停止など、事の問題が十分に認識されるような罰則規定も必要だ。業界の体質改善、ホテルやレストランの食品表示に対する国際的な信頼回復のためには政府・業界団体、消費者団体あげて、踏み込んだ取り組みを期待したい。(編集担当:森高龍二)