三菱自動車のここ数年のビジネスは、新興国のマーケットを志向して、新興国でベーシックなクルマを販売することに軸足を置いている。
この12月には、アフリカ市場の情報収集、現地販売網の活性化を目的として、ケニア共和国の首都ナイロビに駐在員事務所を開設し、2014年1月より業務を開始することを発表。アフリカは豊富な資源や人口増加などを背景に、モータリーゼーションの成長が期待できる潜在力の高い市場。自動車は今後急速な拡大が見込まれる。
三菱自動車は1968年に市場に参入して以来、ピックアップトラックやSUVなどを中心に、悪路での走破性や四輪駆動技術などが評価され、アフリカ48カ国で販売活動を展開してきた。これまで、アフリカ地域の営業・部品・サービスなどは、ドバイの関連会社が担っていた。が、近年、市場ニーズのきめ細かな情報収集や商品開発へのフィードバック、現地販売店とのコミュニケーションの緊密化などの必要性が高まったとして、駐在員事務所を開設することとしたという。
国内では、2013年初に新技術を盛り込んだ、期待のプラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」が、生産初期のヒューマンエラーによる駆動用バッテリー火災という問題を起こしてしまった。またしても“三菱クオリティに問題か?”と思われたが、現在では見事に解決。その後、アウトランダーPHEVの出荷は順調に行なわれている。
2013年1月-9月期の累計国内販売は登録車4万2459台(含む商用車)で前年比91.7%。軽自動車は6月発売の「ekワゴン」の新車効果で6万5773台(含む商用車)、前年比100.9%となった。国内販売は合わせて10万8232台、前年比97.1%である。同期のグローバルな生産台数は89万7037台、前年比108.7%なので、9割近くの三菱車は海外で販売された恰好となる。
2013年末、10月に発表した2013年通期の連結業績予想を修正。売上で200億円少ない2兆1100億円としながら、当期利益は300億円多い1000億円とした。
日産と折半出資で軽自動車企画会社NMKVのから生まれた軽自動車「ekワゴン」月間5000台規模で販売が推移。年明けに投入する軽自動車「ekスペース」に期待が集まる。(編集担当:吉田恒)