2014年、ソーシャルゲームに求められる展望

2014年01月01日 12:08

 GREE<3632>や「Mobage(モバゲー)」を運営するDeNA(ディー・エヌ・エー)<2432>などの収益にやや低速感がみられるものの、野村総合研究所(NRI)<4307>が11月に発表した予測によれば、まだなおその市場は拡大するとされているソーシャルゲーム市場。しかしこの先日本に少子高齢化社会が訪れることが予測される今、新たな層の獲得のための施策を講じないことには、そのユーザー数が減少していくことも予測される。

 そのために必要であると言われているのが、ソフトの面白さ。プレイするハードがスマートフォン(多機能携帯電話)であれ家庭用ゲーム機であれ、結局ユーザーを獲得するための決め手となるのはソフトの面白さ。そういった点でソーシャルゲームに不満を感じているユーザーは少なくない。そうしたユーザーの多くは、単調に感じられるゲーム内容であったり、またその操作性に不満を持っているようだ。

 そしてソーシャルゲームを特色付ける「課金システム」に対しても、不満の声はある。すべてのゲームが当てはまるわけではないが、「どれだけ課金したか?」によってユーザー間のゲームの進行具合に差が出て来ることに、不満を感じるユーザーもいる。そして、そうしたユーザーたちは、「出来るだけ課金をせずに、どうやってゲームを楽しむか?」といったことを考える傾向にあるようだ。企業の思惑とユーザーの思いにこうした祖語が発生している状況に対しても、やはり何らかの施策が必要となってくるのではないだろうか。

 しかし、無料で提供されているゲームなど、その「課金システム」をなくすことは難しいと思われる。だからこそ、企業はユーザーに対して適切なコミュニケーションを図り、ユーザーたちが持つ「課金システム」へのネガティブなイメージを払しょくする必要がある。

 一時期の勢いは落ち着いたものの、まだまだソーシャルゲーム市場の規模は拡大し続けることだろう。そうした拡大に合わせて、ソフト内容の充実やユーザーから上げられる不満点の吸い上げ、その改善などが行われないことには、その道行きに必ずしも明るい未来だけが待っているとは、限らなくなるだろう。(編集担当:滝川幸平)