エネルギーのライフラインに動きがありそうだ。 経済産業省が電力の小売全面自由化(2016年予定)同様、ガスの小売全面自由化への動きを進めている。
ガスの小売全面自由化の理由だが、2016年にも全面自由化される電力の小売りとセットで、都市ガスの全面自由化を進めれば、料金の引下げやサービスの向上につながるとどうやら日本政府は考えているようだ。
しかし、新規参入をいくら促しても設備の問題が出てくる。電気でいう「送電網」に相当する「ガスパイプライン」は各ガス会社が保有・管理している。これを新規参入したい電力会社や石油会社など他の事業者にどう開放していくのか、大きな問題だ。
東京ガス<9531>、大阪ガス<9532>、東邦ガス<9533>の大手3社はガス小売の全面自由化を受け入れる方針を示している。大手ならではの信頼感・技術力などを生かして、さらに新たな顧客獲得を狙っていく考えのようだ。
問題点は設備だけでなく、都市ガス業界の成り立ちにも関係してくる。電力業界は、「東京電力<9501>」「関西電力<9503>」「中部電力<9502>」「東北電力<9506>」など大手10社から成り立っている。一方、都市ガス業界は全国に209の事業者があり、零細企業や赤字の事業者も多い。ガスの小売が始まれば、経営悪化する業者が続出して零細企業は廃業へと繋がりかねない。
電力会社の動きも注目だ。このまま原発停止が続き赤字経営が続くと新たな経営を考えなければならない。そこで、電力会社が電気販売以外のサービス事業とのセット販売を行っていく可能性がある。地方の都市ガス会社は大手の電力会社の系列化する可能性がある。その場合、太陽光発電とエネファームの相乗効果が期待できる。
都市ガスもシステム改革の検討が着々と進んでいるのが現状だ。2014年は都市ガス小売全面自由化に対する準備・議論がより一層ヒートアップしていくことは必至。都市ガス会社は消費者の満足を高めるためサービス拡充に動き出すだろう。(編集担当:久保友宏)