MM総研が2013年10月に発表した「スマートフォン市場規模の推移・予測」によると2013年9月末のスマートフォン契約数は5,015万件で携帯電話契約数の42.2パーセントとなっており、このペースで推移すれば、2017年度末にはスマートフォン契約数は8,924万件となり携帯電話契約数の68.2パーセントにまで拡大する見通しだという。
ところが、スマートフォンのシェア自体は順調に増加しているものの、販売台数は自体は伸び悩んでいる。IDC Japanが13年12月19日に発表した、国内モバイルデバイス市場の2013年第3四半期(7~9月)の出荷台数実績調査によると、タブレット端末市場は176万台で前年同期比63.9パーセント増となるプラス成長を遂げているものの、スマートフォン市場は688万台で、前年同期比13.7パーセント減と大幅に落ち込んだ。
原因としては、フィーチャーフォンからの乗り換えのピークが落ち着いたことと、最新機種でなくとも充分に高機能であるために買い替え需要が少ないこと、再びフィーチャーフォンに戻る人も増えていること、などが考えられ、またiPhone5の販売が好調である裏で、NTTドコモ向けAndroid搭載スマートフォン端末の出荷台数が大きく伸び悩んだことなどが考えられる。
そんな中、日本メーカーが相次いでスマートフォンの開発から撤退したことも、この市場における13年の大きな動きだった。まず、日本の携帯電話市場を牽引してきたNEC<6701>が13年7月31日にスマートフォンの開発と生産から撤退する旨を正式発表した。そして、それに続くかのように、パナソニック<6752>も9月26日、13年度下期以降のスマートフォンを含む携帯電話事業を抜本的に見直すと発表し、事実上、一般向けスマホ市場から撤退した。残る日本製スマートフォンとしては、ソニーの「Xperia」シリーズや、富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製スマートフォン「ARROWS」シリーズなどがあるが、AppleのiPhoneをはじめ、台湾のHTC、韓国のGALAXYなどに押されている感は否めない。
ソニーでは、次期フラッグシップモデルとして開発中のスマートフォン、コードネーム「Sirius」を早ければ1月中にも発表するとの噂がある。ディスプレイは5.2インチサイズ、プロセッサにはSnapdragon 800が搭載されるといわれている。国内製スマートフォンには、是非とも頑張って巻き返してもらいたいものだが、果たしてどうなるだろうか。(編集担当:藤原伊織)