ノバルティスファーマを刑事告発 厚生労働省

2014年01月10日 08:42

 厚生労働省は9日、ノバルティスファーマと同社社員を薬事法の虚偽・誇大広告禁止違反の疑いで東京地検に刑事告発した。

 同省によると、同社と社員は平成23年から平成24年にかけ、ディオバン錠に係る東京慈恵会医科大学で実施された臨床研究「JIKEI HEART STUDY」と京都府立医科大学で実施された臨床研究「KYOTO HEART STUDY」の結果を記載した資材を用いて、同医薬品の効能又は効果に関して広告を行ったが、その内容に薬事法で禁止されている虚偽・誇大広告に該当する疑いがあり、薬事法に基づき資料提出命令、事情聴取を実施し事実関係確認を行った結果、薬事法に違反する疑いが深まったとしている。

 刑事告発をうけて、同社は9日「 本日、弊社は厚生労働省からディオバン医師主導臨床研究に関連して、薬事法の虚偽・誇大広告の疑いで刑事告発されました。このたびは患者さま、ご家族、医療従事者の皆さま、および国民の皆さまに大変ご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」とのコメントを発表。

 同社は「この事態を極めて重く受け止めている」として「これまでと同様に今後も当局に全面的に協力していく」としている。

 同社ではこの問題発生から再発防止にむけた外部有識者5人で構成する委員会を立ち上げており、3月までに再発防止のための短期的課題と計画の提言を受けることにしている。また、4月以降は計画の進捗状況管理を委員会が行っていくことにしている。(編集担当:森高龍二)