三菱自、新株発行などにより最大2416億円を調達

2014年01月13日 18:56

 三菱自動車<7211>は、7日開催の取締役会において新株式発行及び同社株式の売出しに関して決議を行い、公募増資などにより、最大約2416億円を調達すると発表。そうして調達した資金は主に三菱グループ4社が保有する優先株の取得にあてることとなり、優先株の処理後は普通株の復配を目指す。
 
 国内外にて新たに発行する株は2億1775万株で、需要状況に応じて実施するオーバーアロットメントによる売り出しは、最大2325万株の予定。公募による新株の発行価格は1月22日から24日の間に決定する予定で、払込期日は、29日から31日までのうち、発行価格決定日の5営業日後に該当する日となる予定だ。

 三菱自動車は業績が低迷する中、2000年7月のリコール隠し問題を発端として、さらに経営が悪化。それにともない三菱グループなど14社が、総額約6300億円の優先株を引き受けることで経営危機を脱した。その後、三菱重工業<7011>、三菱商事<8058>、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行の4社以外は保有する優先株を処理したものの、残る約3800億円分の優先株への配当負担は、三菱自動車の経営をずっと圧迫し続けてきた。

 そして13年12月26日に、約3800億円分の優先株の一掃を目的に、臨時株主総会を開催。新株発行枠の拡大、そして優先株を普通株に転換するための定款変更の決議を行っていた。

 国内募集の主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、野村証券、メリルリンチ日本証券が共同で行い、海外ではモルガン・スタンレー、メリルリンチ、野村インターナショナルが共同で務めることとなる。発行価格は1月22日から24日までの間に決定される。

 三菱自動車の14年3月期連結当期利益予想は前年比の2.6倍の1000億円なっており、2年連続での過去最高益を見込んでいる。一時期の業績悪化から抜け出し、改善傾向が伺えるようになり、配当を出すことの出来る環境は整いつつあるものの、優先株がある以上、配当は優先株主が優先されることとなる。1999年3月期以降、ずっと無配が続いていた普通株主たちのために、優先株の全てを処理する。(編集担当:滝川幸平