積水ハウス「5本の樹」計画 累計1000万本の植栽を達成

2014年01月18日 19:20

今森光彦氏企画展 会場写真リサイズ

住宅緑化推進プロジェクト「5本の樹」計画で、住宅への植栽本数累計1000万本を達成した積水ハウス。それを記念して、写真家・今森光彦氏の企画展展を1月26日まで住ムフムラボにて開催。

 積水ハウス株式会社は1月10日、同社が取り組んでいる住宅緑地化計画推進プロジェクト「5本の樹」計画において、住宅地への植栽本数が2013年末の時点で累積1000万本に達したと発表した。積水ハウスではこれを記念して、1月11日(土)~26日(日)までの期間、大阪市北区のグランフロント大阪・ナレッジキャピタル4階の「住ムフムラボ」にて、企画展「今森光彦が見つめる日本の風景~生き物とくらす、緑とくらす~」を開催している。

 「5本の樹」計画とは、薪や炭・肥料などを採集する場所として活用されていた雑木林を中心に、その周辺の田畑や川なども含め、人の手によって維持管理されてきた「里山」を参考に「3本は鳥のために、2本は蝶のために、日本の在来樹種を」というスローガンのもと、同社が取り組んできた植栽事業だ。本プロジェクトは、写真界の直木賞ともいわれる土門拳賞を受賞した写真家で、長年に渡って日本の里山を撮影し続けている今森光彦氏などのアドバイスを受けて2001年から取り組んでおり、現在では年間約100万本ペースで実績を広げている。生態系保全を目的とした取り組みであると同時に、同社の住宅事業と密接に結びつく、暮らしや景観の向上を目指した戦略的事業としての側面も大きい。

 実は、あまり知られていないが、積水ハウスは住宅メーカーであるとともに、エクステリア事業の売上高が年間500億円規模となる日本最大の造園会社でもある。「5本の樹」計画の事業化にあたっては、全国約80社の植木生産者とネットワークを構築し、彼らのもとで日本の、しかもその土地の気候風土に合った「自生種・在来種」にこだわって生産し、供給できる仕組みづくりを行ってきた。一般的に住宅の庭などには見た目のきれいな「園芸種・外来種」が用いられることが多いが、農薬を使用しないと病気になったり、気候風土に合わずに数年で枯れてしまったりすることも珍しくない。また、外来種に比べて在来種の方がその樹木をよりどころにしている生物も多い。生物が集まってくると、そのお陰で生態系の自浄作用が働くので、過度に手入れをしなくて済む。芋虫などの害虫も、集まってきた鳥が捕食して駆除してくれるというわけだ。

 さらに、年月が経つにつれて緑が育ち、緑地面積が増えることで景観が美しくなり、住宅の付加価値も上がる。積水ハウスではこれを「経年美化」と呼んでいる。戸建てはもとより、同社が展開するシャーメゾンなどの賃貸住宅でも好評で、建築年数が経った物件でも、入居率や家賃を維持するのに大きく貢献しているという。

 これからの住宅には高い付加価値を持つ商品が求められているが、太陽光発電やIT技術を駆使したHEMSなどの他に、その付加価値の一つとして、緑の価値に対する消費者の意識も芽生えつつあるようだ。今年4月からは8パーセント、そして15年の10月からは10パーセントに消費税率の引き上げが予定されており、住宅市場は大きな試練のときを迎える。施行された際には、安易な価格競争に陥るのではなく、価格以上の価値を提供する方向性が求められるだろう。(編集担当:藤原伊織)