関西国際空港がメガソーラーを導入。新エネルギーの最右翼は普及するか?

2014年01月30日 08:46

 東日本大震災による福島原発の放射能の問題などで、早急に新エネルギーの確立が求められている。その最右翼と言えるのが、太陽光発電だ。しかし、太陽光発電はいわれているほど普及していない。それは、天候により発電量が変化することと、家庭で導入する場合、初期費用が高額なこと。それでも、環境に優しい、CO2削減などメリットも大きく、各地の施設でメガソーラー(大規模太陽光発電施設)の導入が始まった。

 ソーラーフロンティアと日本政策投資銀行による共同設立会社SFソーラーパワーの100%子会社であるSF関西メガソーラーは、関西空港内にメガソーラー「SF関西メガソーラー 関西国際空港発電所」を完工した。発電開始は、2014年2月1日を予定。アジアの空港で最大級の空港発電所だという。

 このメガソーラーは、ソーラーフロンティア製CIS薄膜太陽電池を使用している。同社のCIS薄膜太陽電池は、総発電量の高さや、光の反射が航空機の運航に影響を与えない防眩性などの特性を持っている。発電容量は、約1万1600kWで、初年度の予想発電電力量は約1200万kWhで、これは一般住宅の年間電力使用量の約4100世帯分に相当し、4000tのCO2を削減することになるという。

 ソーラーフロンティアは親会社である昭和シェル石油をバックボーンに、全国各地でメガソーラーの設置を進めている。また、シャープや京セラなども力を入れている大手企業も多い。しかし、今の原発や火力発電などにとって替わるにはまだまだ問題が山積みだ。

 なんといっても、前述したように初期費用が高額であることで、一般家庭への導入がまったくといっていいほど進んでいない。一般社団法人 太陽光発電協会では、家庭での導入費は、10kWで一般的な系統連系型では平均約900万円からと試算している。これでは、一般庶民にはとても手が出ない。導入の際には国の援助が得られるが、これも50万円程度である。せめて、今の費用から1桁は少なくならないと本格普及は難しいかもしれない。