公明党の山口那津男代表は30日の参院本会議で「東日本大震災発生から3年になろうとしているが復興、福島の再生は政治の責任であり、公明党はこれまで以上に力を入れて取り組む決意」とし、震災復興とともに最優先で「経済再生に取り組んできた。景気回復の足取りは確実に高まってきたと思われるが、中小企業や一般家庭にはまだ景気回復の効果が十分に及んでいないのが実感ではないか。4月に消費税が8%になるが、消費税の増収分はすべて社会保障の拡充、強化にあてられる。安倍政権は震災復興、経済再生を最優先に社会保障の安定強化を含め、全力を傾注すべき」と政権を支える与党の立場から取り組むべき柱を改めて提示した。
そして、「景気回復の勢いと実感を家計、地域経済、全国中小零細企業へと浸透させていくことが今年の最重要課題」と位置づける考えを示した。そして「日本経済の好転によってもたらされた企業収益の拡大を賃金上昇につなげることが必要不可欠。可処分所得が増えたと実感を持って頂けるようにすることが何より重要」と個人所得に景気好転の果実が反映されるかどうか、その成り行きの重要性を提示。「賃上げの状況と政策効果をフォローアップすることで成果を確実にすることが求められる」とした。
また、山口代表は外交について「大切な隣国である中国や韓国との関係の改善が重要な課題」とし「胸襟を開いた対話に向け、1日も早く首脳会談を実現できるよう、総理を先頭に政府も与党も努力しなくてはならない」と訴えた。
安倍晋三総理は「日本経済の再生にとって、今年は正念場の年になる」とし「山口議員の指摘を十分に踏まえ、政府・与党一丸となって(景気の好循環実現に)取り組んでいく」と答えた。
安倍総理は「企業収益の上昇を速やかに賃金引き上げにつなげ、個人消費の増加につなげていくことが必要」とし、税制措置はじめ「好循環実現への環境整備に全力であたる」と強調した。
安倍総理は「賃上げ状況のフォローアップについては大企業から中小企業まで幅広く調査し、その結果を適切な形で公表する」ほか、消費税率引き上げの中小企業への影響を抑えるため「消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することが重要なので、転嫁拒否などに対する監視、取り締まりや周知徹底に努める」と答えた。(編集担当:森高龍二)