安倍晋三総理は24日の参議院予算委員会で賃金アップに企業の内部留保の活用にまで踏み込んで「内部留保も含めて賃金アップに努めて頂くよう経済界に要請していきたい」と答弁した。安倍総理は政労使会議などで要請していく。
日本共産党の小池晃議員の質問に答えた。小池議員は「労働者の賃金は90年から97年までは増えた。約50万円増えたが、消費税引き上げで以来、15年間で働く人の年収は約70万円減った。消費税を5%から8%に引き上げれば暮らしに深刻な打撃を与え、景気にも大変な悪影響を与える」と指摘した。
安倍総理は「われわれも97年に消費税をあげたあと、アジアの通貨危機などあり、日本はデフレに陥り、経済が低迷していった。そして、賃金が物価以上に下がってきたという大きな問題がある」と賃金低下が続いてきたことへの問題意識を示した。
安倍総理は「第1次安倍内閣において企業は大きく収益を改善したが、賃金上昇にはつながらなかった。そのことの反省もしながら、検証もしながら、今回の景気回復においては、企業が収益をあげてから賃金に反映するまではタイムラグはあるが、なるべくそれを短縮するために、財政出動や経営者への働きかけをしている」とした。
小池議員が「なんで賃上げのために内部留保を活用せよといわないのか。是非、言ってください。内部留保を1%取り崩すだけで、8割の企業で月1万円の賃上げができるから」と強く要請したのに答えた。(編集担当:森高龍二)