パナソニック、固定費削減により黒字化

2014年02月08日 09:45

 4日、パナソニック<6752>は2013年4~12月期の連結当期純損益(米国会計基準)を発表。それによれば最終損益は2430億円の黒字で、4~12月期としては過去最高の金額となった。前年は6238億円の赤字であった。前期まで行われていた構造改革の効果により固定費が削減された以外にも、テレビ事業などの赤字が縮小したことが寄与したとみられる。

 自動車メーカーの生産拡大により、カーナビなどの車載機器が順調に推移したほか、国内では住宅設備や建材なども好調であった。また円安の影響により円ベースの売上が増加したこともあって、売上高は前年比4.4%アップの5兆6798億円となった。営業利益は前年比の2.1倍の2631億円であった。

 今回収益拡大に最も効果を発揮したとみられるのが、リストラによる固定費削減である。社員給与カットにより、1700億円の固定費を削減。これは4~12月期の営業増益額を上回っている。また年金制度の変更やヘルスケア子会社を売却したことにより発生した、計1500億円という一時的な利益も計上しており、こちらも収益拡大に大きな影響を及ぼした。

 14年3月期通期の最終損益には、これまでの予想どおり1000億円の黒字のまま据え置き。前期は7542億円の赤字であった。4~12月期の時点で予想を1400億円ほど上回っているものの、14年1~3月期にはリストラ関連の費用が発生することを見越し、据え置いた模様。

 パナソニックは自動車事業と住宅関連事業を成長領域と位置づけており、19年3月期までにそれぞれの事業で2兆円の売上高を目標としている。そして4~12月期には、自動車事業・住宅関連事業の両方を含む部門の営業利益が、すでに全体の6割に達している。

 しかし来期には消費税増税も控えており、それにより自動車や住宅の需要の伸び悩みが予想される。社員給与カットも今期で終了させる予定で、人件費の増加も予想される。そうした状況の中、これからはリストラに寄りかかるのではない、継続的な成長を達成することが出来るかどうかがポイントとなってくる。(編集担当:滝川幸平)