MM総研は2014年2月13日、2013年(1月~12月)の国内パソコン出荷実績を調査、結果を発表した。それによると、国内パソコン市場は、出荷台数は前年比0.1%減の1519万1000台となった。総出荷台数は1995年の統計開始以降、過去3番目の規模となった。
一方、出荷金額は前年比4.2%増の1兆499億円となった。円安の影響で部材費や海外での製造コストが上昇。また個人市場での需要数減少を受け、高付加価値品にシフトしたことなどから出荷平均単価は6万9000円と前年から3000円の増加となった。
個人・法人別では、個人市場向けの出荷ルートである「個人系ルート」は、前年比23.3%減の569万6000台となった。企業・官公庁向けのメーカー直販と販売店販売を合計した「法人系ルート」は前年比21.9%増の949万5000台となった。個人向けでは、スマートフォンやタブレットとの用途重複による需要減退が進んだ。一方、法人向けは2014年4月に予定されているWindowsXPのサポート終了に伴うパソコン更新により買い替え需要が活性化して大幅な成長となった。
メーカー別のシェアはNECレノボがシェア26.2%で首位となった。2位が富士通で、3位が東芝となった。4位のデルは前年の5位より順位を上げた。
14年のパソコン市場は1~3月期は好調が持続する。しかし、4~6月以降は今回のWindowsXP更新需要増のようなプラス要因も無く、さらに消費税増税が重なるため、通年では厳しい年になると予測している。出荷台数は個人向け出荷が527万台(7.5%減)、法人向け出荷が872万台(8.2%減)、合計1399万台(前年比7.9%減)とした。
MM総研では今後について、市場化性化のためにはMVNO事業の一層の推進や低価格で利用可能な公衆無線LAN拡大支援など、好循環を生み出す政策誘導が必要不可欠だとしている。また、16年から導入される国民総背番号制(マイナンバー)やフューチャースクールなど国をあげての新規システムが控えており、これに対してユーザー利用を拡大していかなければ、これらの新規システムも効果半減だと提言している。(編集担当:慶尾六郎)