楽天は利益が2倍に スマホ向けサービスの強化やイーグルス優勝で好調

2014年02月22日 15:48

 楽天<4755>が2014年2月14日、平成25年12月期(平成25年1月1日~12月31日)の業績を発表した。今期は、売上収益が前年比29.5%増の5185億6800万円、営業利益は同80.3%増の902億4400万円、税引前利益は同80.4%増の886億1000万円、そして当期利益は同105.7%増の434億8100万円となった。

 楽天では、スマートフォンやタブレット端末といったスマートデバイス向けのサービスを強化。また、ビックデータを活用したマーケティング「楽天スーパーSALE」などの大型イベントの実施を推進した。さらには、同社が今後の成長戦略の柱の一つと位置づけているデジタルコンテンツサービスの強化を企図し、電子書籍サービスやビデオストリーミングサービスを国内外で積極的に展開した。この結果、国外でビジネスは順調に拡大を続けている。この結果、大幅増収増益となった。

 セグメント別にみると、インターネットサービスセグメントは、主力サービスの「楽天市場」において、前述したスマートデバイス向けサービスの強化、ビッグデータを活用したパーソナライズマーケティング、大型セールイベント「楽天スーパーSALE」、東北楽天ゴールデンイーグルス初の日本シリーズ優勝を記念したセールの開催等の各種施策を積極的に展開。楽天スーパーロジスティクス等を通じた、B to B to Cマーケットプレイス型ビジネスモデルに適合した物流サービスの拡充にも注力した。

 海外事業については、マーケットプレイス型サービスに重点を置くと共に、ポイントプログラム「楽天スーパーSALE」などの日本で奏功している各種戦略ノウハウを横展開した結果、同サービスの流通総額が成長した。また、デジタルコンテンツサービスの強化に向けて、電子書籍サービスの「kobo」やビデオストリーミングサービスの新製品及び新サービスの提供を行った。この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は前年比16.6%の3152億2800万円となった。セグメント利益は同87.5%増の474億5500万円となった。

 インターネット金融セグメントは、クレジットカード関連サービスでは、「楽天カード」会員の増加に伴いショッピング取扱高が前連結会計年度比42.0%増となった。リボ残高も順調に積み上がったことにより手数料収入等が増加し、顕著な利益成長が継続。証券サービスにおいては、金融市場の活性化を背景に、国内株式売買代金が前連結会計年度比で236.9%増加するなど、売上収益及び利益が大幅に増加した。銀行サービスにおいては、ローン残高が堅調に増加したことにより、貸出金利息収益が増加した。この結果、インターネット金融セグメントにおける売上収益は前年比59.2%増の2014億9400万円、セグメント利益は同117.8増の441億7400万円となった。

 日本のEC市場ではトップシェアを誇る楽天。13年も好調は続いた。スマホやタブレットなどの普及に向けたサービスを強化し、さらに楽天ゴールデンイーグルスの日本シリーズ優勝が追い風となった。(編集担当:慶尾六郎)