2005年時点で50代だった働く男女の就業状況変化を調べたところ、「60~64歳」では男性の65%、女性の39%が、「65、66歳」では男性46%、女性28%が何らかの形で就業していた。定年後の再就職では男性の39%が「契約社員・嘱託」、女性の55%が「パート・アルバイト」だった。厚生労働省が2月19日に公表した第8回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況でわかった。
調査は団塊の世代を含む全国の中高年者世代の男女を追跡して、その健康・就業・社会活動についての変化を継続的に調査し、高齢者対策等に生かすことを目的に05年から実施しているもの。05年時点で50代の男女を対象とし、その後毎年、追跡調査を行っている。
第1回(初回)調査からの就業状況の変化をみると、「第1回から仕事あり」は、男65.8%、女40.3%となっている。年齢別にみると、「57~59 歳」では、男 83.1%、女 52.5%、「60~64 歳」では、男65.3%、女 39.1%、「65、66 歳」では、男 46.6%、女 28.0%だった。
初回調査以降に「仕事をやめた経験がある」者の離職理由は、男は「定年のため」33.7%、「契約期間が満了したから」12.9%、「健康がすぐれなかったから」8.4%、女では「定年のため」14.0%、「健康がすぐれなかったから」13.3%、「契約期間が満了したから」9.7%。
離職理由別に第8回で「仕事をしていない」者の割合をみると、「健康がすぐれなかったから」では、男 67.9%、女 69.9%と男女の差は小さいが、「解雇されたから」では、男 30.9%、女 51.4%、「定年のため」では、男 43.0%、女 62.4%と男女の差が大きくなっている。定年を理由に離職し今回調査で「仕事をしている」者の仕事のかたちをみると、男では「契約社員・嘱託」39.5%、「パート・アルバイト」22.4%、「正規の職員・従業員」16.7%、女では「パート・アルバイト」55.8%、「契約社員・嘱託」18.5%と高くなっている。
第1回調査時の60~64歳の就業希望と、第8回調査時に60~64歳となった者の仕事の有無をみると、「60~64 歳は仕事をしたい」と希望していた者のうち、第8回で「仕事をしている」の者の割合は、男81.2%、女 66.3%となっている。第1回調査時に希望していた仕事のかたちとして最も多かったのは、男では「雇われて働く(フルタイム)」が27.1%だったが、そのうち今回調査時に「正規の職員・従業員」か「派遣社員、契約社員・嘱託」だった者がそれぞれ 27.7% と 30.5% となっている。また、女では、第1回調査時に「雇われて働く(パートタイム)」を希望している者が 29.7%と最も多く、そのうち今回調査時に「パート・アルバイト」だった者が46.3%となっている。
調査結果からは60代以降にも働く意欲のある人が増えており、また実際に就業を継続している人の割合が増えているなど、団塊世代の就業意識の変化が見て取れる。こうした意欲ある人たちの多様な働き方を支える受け皿が増えることで、まさに“全員参加型の社会”が実現するだろう。(編集担当:横井楓)