就寝時などの小さな呼吸も検知する「見守りシステム」

2014年03月01日 18:34

 沖電気<6703>は、就寝時などの微細な呼吸レベルの動きまでも検知する「電波型超高感度人感センサー」の商品化に成功し、同センサーを用いた「見守りシステム」を2014年2月28日より販売を開始することを発表した。これにより、病人や要介護者などの見守りが確実に行えることになる。

 近年、核家族化や少子高齢化などの急速な進展によって、孤独死の増加や要介護者、病気患者などへの適切な見守りができ難い状況が増加している。このような中、従来の見守りシステムで多く使用されている「焦電型赤外人感センサー」は、動いて温度変化が大きい場合の検知には有効だが、就寝しているような静止状態では温度変化が少なく正常な検知ができないという大きな問題があった。

 今回、沖電気が発売する「見守りシステム」は、ドップラー効果を利用したマイクロ波電波センサーによって、人の呼吸成分を効率よく検出するアルゴリズムを新たに開発して実装された「電波型超高感度人感センサー」を搭載。これにより、人の活動時だけでなく就寝時などの安静状態においても、体調変化や生活リズムの変化をリアルタイムに把握して可視化することができるため、人の状態を正確に把握した「見守り」が可能となる。

 なお、「電波型超高感度人感センサー」は、使用目的によってカスタマイズして使用されるので、価格は個別見積りとなり、生産は受注生産で行われる。同時に「電波型超高感度人感センサー」とPCなどへの接続ユニット、PC上で動作する評価ソフトを組み合わせた開発用キットの販売も開始されるが、こちらは「センサー」「I/F変換装置」「接続ケーブル」「評価ソフト」のキットで標準価格50万円(税別)である。
 
 今回発表されたシステムは、家庭向けの商品ではない。しかし、今後、厚生労働省が「できる限り、住み慣れた地域で必要な医療・介護サービスを受けつつ、安心して自分らしい生活を実現できる社会を目指す」という方針を打ち出しており、家庭での見守りの必要性が高くなることや1人住まいの高齢者の孤独死を防ぐにも低価格で精度の高い見守りシステムが必要になる。(編集担当:阪木朱玲)