平成26年度予算案は28日、衆議院の本会議で自民・公明などの賛成多数で可決し、参議院に送られた。参議院で議決されない場合でも、参議院に送られて30日経過すれば自然成立するため、新年度予算の年度内成立が決まった。
自民党の石破茂幹事長は25年度補正予算と連続して切れ目のない予算執行のメッセージを市場に早く伝える必要があるとの考えだっただけに、28日の衆議院通過は予定通りに駒を進めた格好。「予算案は未来への投資や社会保障の充実策を盛り込み、景気回復とデフレ脱却への道筋を確かなものにするための予算」と党として主張する。
一方、民主党など野党は「巨大与党の横暴以外の何者でもない」などと批判。民主党は「かつての自民党政権に先祖返りした公共事業中心のバラマキ予算だ」と厳しく非難した。特に民主党の海江田万里代表は28日夜「国民のいのち、雇用、暮らしを守る予算になっていない」とし「無駄な公共事業もたくさん入っていて、コストの上昇、被災地の復旧・復興の遅れにつながる」と懸念も示した。
海江田代表は「集団的自衛権の問題、TPP、エネルギー基本計画の問題にNHK会長の問題などが山積している」として、改めて、参議院で政府を追及していく姿勢を鮮明にした。
なお、年度内成立が確実になった26年度予算は一般会計総額95兆8823億円と過去最大規模。歳入のうち、税収は消費税の引き上げに伴う税収増4兆5350億円を含む50兆円とみているほか、公債費で41兆2500億円を充当。このうち35兆2480億円は赤字公債。残りが建設公債。
歳出をみると社会保障関係が30兆5175億円。25年度当初に比べ4.8%の伸び。防衛関係費が4兆8848億円で2.8%の増。公共事業費も5兆9685億円と12.9%の大幅な増になっている。エネルギー対策費は9642億円で13.5%の増になっている。(編集担当:森高龍二)