中小企業のクラウド利用実態調査によれば、もっとも利用されているクラウド型ソリューションはEメールサービスで、次いでファイル管理、Webホスティングとなっていた。一方でクラウド・サービスを利用していない企業の理由としてはセキュリティや管理不足への懸念が主な理由で、規模の大きい企業ほどセキュリティ確保が大きな課題となっていることがわかった。ソフトウェアサービスを展開するエフセキュア(本社:フィンランドヘルシンキ)が実施した「2014 年デジタル企業調査」によるもの。
調査は8カ国(ドイツ、イタリア、フランス、英国、スウェーデン、フィンランド、ポーランド、アメリカ合衆国)で1~500名の従業員(平均200名)を有する企業を対象に Web インタビューで行った。
現在利用中のクラウド型ソリューションは何かという質問に対し、従業員規模が250~500名の企業の59%、50~249名で56%、1~49名で44%の企業がEメールサービスと回答しており、いずれの規模でもトップになっていた。2位は250~500名の企業の54%、1~49名の企業の34%がファイル管理を挙げていたが、50~249名の企業では47%がWeb ホスティングを挙げていた。またクラウドを利用していない率は大規模であるほど低く、250~500名の企業で12%、50~249名で14%、1~49 名で35%となっていた。
クラウド・サービスを選択するにあたっての考慮事項は、使いやすさ(62%)、互換性(47%)、価格(46%)、セキュリティ(37%)となっていた。特にセキュリティに関しては、250~500名の企業で41%、50~249 名で39%、1~49 名で25%となっており、企業規模が大きいほどセキュリティに対する懸念が大きいことが判明した。
なぜクラウド・サービスに関心がないのかという質問では、セキュリティや管理不足に対する懸念が、250~500 名の企業で67%、50~249名で70%、1~49 名で32%となっており、とりわけ規模の大きい企業でのクラウド・サービスのセキュリティ確保が大きな課題となっていた。
今や企業規模を問わず活用が広がっているクラウド・サービスだが、調査結果からは利便性を享受したいもののセキュリティなどへの懸念から踏み出せない企業が少なくないことが明らかになった。この点を解決すれば、さらにクラウド・サービスの普及が加速することは間違いないだろう。(編集担当:横井楓)