スマホで店内のお客の動きが見える。凸版印刷<7911>は、同社の位置連動型コンテンツ配信O2Oソリューション「Cylsee(シルシー)ジオ」と、空間情報事業を展開するリベラの測位技術を活用することにより、店舗における消費者の購買前の動きを見える化できる、Bluetoothを用いた屋内測位技術を確立したと発表した。2014年夏を目標に、店舗内回遊履歴と購買情報を組み合わせたビッグデータ分析サービスへと展開していく予定だ。
これまでの音波やWi-Fiを用いた屋内位置測位手法は、設置のための電源の確保や天井や床への機器の埋め込みが困難であった。新技術はBluetoothタグとスマートフォンを活用した屋内測位技術で、これまでの課題を解決した。
「Cylseeジオ」は、利用者の現在地に応じて、クーポンや広告などのコンテンツを、専用アプリがインストールされたスマートフォンへ最適に配信するO2Oソリューション。屋内での位置測位技術として、Bluetooth方式を採用している。
具体的には、屋内の任意のエリアマップを作成し、「Cylseeジオ」のBluetoothタグを設置。利用者はスマートフォンで専用のアプリを起動した状態でエリアを移動することにより、複数のBluetooth信号を受信する。この信号は解析サーバに随時送信され、サーバ上の位置測位アルゴリズムにより、現在地や滞在時間、移動時の向き、軌跡などのデータが取得できる。約1m単位での測位が可能である。
また、設置したBluetoothタグは、iBeaconにも対応しており、商品棚前やレジ前など、場所に応じたコンテンツ配信に利用可能。複数の屋内施設の多様なレイアウトや、流通店舗での実験により、店舗内における動線分析に有効であることが実証されているという。
なおこの技術は、2014年3月4日から3月7日に開催された「リテールテックJAPAN 2014」(会場:東京ビッグサイト 主催:日本経済新聞社)のトッパンブースで展示された。(編集担当:慶尾六郎)