今までも何度か日本でも発売されると噂されていたグーグルのクロームブックが東芝<6502>から発売される。米グーグルのOS「クローム」を搭載したノートパソコンが日本で販売されるのはこれがはじめて。他のパソコンメーカーも国内投入を検討している。米国ではすでにクロームブックがノートパソコンの20%のシェアを占める。当初は韓国サムスン電子など新興メーカーのみだったが、ヒューレットパッカードや米デルなどもすでに投入をしている。パソコン部門では低迷する東芝の巻き返しがあるのか注目されている。
クロームブックは価格が2~3万円という価格だが、今までもあったような低価格パソコンとは違う。かつてネットブックと呼ばれた低価格パソコンがネット閲覧のみにその使用が限定されており、エクセルやワードといったソフトを使うにはスペック的に無理があり、スマホの普及とともに衰退していった。しかし今回のクロームブックは長年、米マイクロソフトの独壇場だったOS「ウインドウズ」を脅かすとも言われている。OS「クローム」はクラウドストレージを利用し、全てのデータはクラウド上に保存され、作業はブラウザ上で行うことになる。セキュリティソフトを本体にインストールする必要もない。また共有性にも優れ企業単位でデータを共有していくことも可能。これはもちろん「ウインドウズ」でも可能だったことだが、クロームブックの場合、オフィスのような重たいソフトを各端末にインストールしておく必要がないという強みがある。
企業がクロームブックの導入をためらうとすれば、「ウインドウズ」上で走るエクセルやワードをはじめとする「オフィス」が使えないことだ。すでにビジネス上では標準ソフトとも言えるこれらのデータが各企業には膨大なデータとして蓄積されている。そのため、他のOSが食い込むことは非常に困難な状況があった。現状ではクロームブックで「オフィス」を使うには限定的な機能でしか使用できない。企業がクロームブックへの移行を検討しはじめ、この「オフィス」の問題がクリアされれば、クロームブックは間違いなくマイクロソフトの大きな脅威となるだろう。(編集担当:久保田雄城)