3月中旬に高知県を発し、4月初めには大阪や東京でも見ごろになることが予測される今年の桜開花予報。この季節になると誰しも花見の準備でなんとなく気もそぞろになってしまうのは、日本人の性だろうか。“花見酒”という言葉もあるくらい桜と酒は切っても切り離せないものだが、花見に欠かせない飲料の座はビールが堂々の第一位を占めることがわかった。アサヒビールホールディングスの花見に関する意識調査で明らかになった。
調査は3月5~11日に、インターネット経由で1347人を対象に実施した。
今年の花見に「必ず行くつもり」と回答した人は29.6%、「まだ決まっていないが行くつもり」と回答した人は31.3%となり、全体の6割以上が「今春、花見に行く」という意向を持っていた。過去5年間の同時期に実施した同調査によれば、11年以降は5割台で推移していた参加意向が、4年ぶりに6割台に復活した。こうした背景には景気復調の兆しや震災からの立ち直りなどの影響も少なからず反映されているものと調査では分析している。
花見に欠かせない飲料については、「ビール」(65.3%)が堂々のトップ。「花見の時くらいは発泡酒を避け、値段がはってもビールを購入して持って行きたい」など、「花見=ハレの日」と捉えている人も多く、4位「新ジャンル(第3のビール)」(19.2%)、5位「発泡酒」(14.4%)を大きく凌ぎ、「ビール」に人気が集中した。
人気ドリンクの2位は「チューハイ」(23.5%)。味のバリエーションの豊富なチューハイは、特に女性に人気(男性=19.1%、女性=26.3%)が高い結果となった。 3位には「お茶」(20.5%)など、アルコールが飲めない人や、マイカーでお花見を楽しむ人は「お茶」を飲む人が多く見受けられる。また長時間野外で過ごすことから、寒さをしのぐ「温かいお茶」を用意する人も目立った。
一人当たりの平均予算については、「2,000円台」(28.3%)が一番多く、次に「1,000円台」(28.1%)が続き、全体の6割近くの人びとが「1,000~2,999円」の範囲で花見を催していることが明らかとなった。
調査では震災以降、落ち込んでいた花見の開催意欲がようやく復活しつつあることが浮き彫りになった。シェアで発泡酒や新ジャンルに押され気味のビールも、花見という晴れの舞台ではひっぱりだこになるのだろう。(編集担当:横井楓)