叫ばれる「経常赤字」。着々と進められている「原発再稼働」。その関係性を考える

2014年03月25日 17:27

日本の経常収支が4カ月連続の赤字となっている。

 財務省が3月に発表した2014年1月の国際収支統計によると、「輸出」「海外からの配当金」と、「輸入」「配当金の支払い」などを差し引いた経常収支は、1兆5890億円の赤字となった。この数字は、過去最大と言われている。

 為替の円安が進んでいるのに輸出が伸びない、貿易収支が改善しない理由は一体どこにあるのか。ニュース報道でもよく流れているが、一番の理由は原発事故に伴う火力発電の燃料増加による輸入増と指摘する人が多い。原油やLNG(液化天然ガス)の輸入額が円安で膨らみ、経常収支の赤字を招いていると政府は常々口にしている。

 火力発電で使うLNG(液化天然ガス)の負担を少なくするためにも「原発再稼働」という道筋を政府は作っている。

 原子力規制委員会は、九州鹿児島の川内(せんだい)原発を優先審査している。この地域は自治体も住民も原発再稼働を望んでいる人が多いエリアだ。今夏にも再稼働と言われている。

 しかし、果たして安易に再稼働を進めて本当によいのだろうか。核燃料の処分先も決まっていない。近い将来、大きな地震がやってくると言われている。

 経常収支の赤字を減らすことの重要性は分かるが、「原発再稼働」という方向へ進んで良いのだろうか。政府見解ではどうしても原発は必要というなら、再稼働と同時に代替エネルギーの議論を積極的に行うことが今、必要ではないだろうか。私個人的な意見だが、原発は国民投票を経てこの先の行方を決めるという方法が一番だと考えている。果たして日本政府はどういった選択をするのだろうか。(編集担当:久保友宏)