目前に迫る国民総背番号制度 NTTデータが地方公共団体向け業務システムを提供

2014年03月29日 14:40

 国民一人一人に番号が付与される「マイナンバー制度:国民総背番号制度」が2016年1月から施行される。これを受け、NTTデータ<9613>は26日、地方公共団体向け業務システム連携基盤「GRANPIATT」において、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)へ対応した機能を拡充し、14年10月より提供を開始すると発表した。

 「GRANPIATT」は、地方公共団体における各業務システムを連携させることで、柔軟で効率的なサービス・データの連携を実現し、システム全体最適化を可能とするシステム基盤として07年より提供してきた。今回、「GRANPIATT」を機能拡充し、地方公共団体がマイナンバー制度へ対応する際に整備が必要となる「団体内統合宛名機能」を中心とした機能をワンパッケージ化して提供する。

 従来、プロトコル、フォーマット、文字コードなど、既存業務システム間の方式の違いを変換し吸収する機能を共通機能として提供してきた。また、機能の動作は外部パラメーター情報を定義する「外部定義体」で制御することができるため、法制度改正などによって発生する簡易な変更・連携の追加であれば、プログラムの修正を必要とせずに外部定義体の変更のみで短期間、低コストで対応可能だ。

 今回のマイナンバー制度対応においても、既存業務システムと中間サーバー間のプロトコルやフォーマット、文字コードなどの変換による連携を「GRANPIATT」で実現することで、他機関との情報連携のために必要な既存業務システム側の改修負担を低減する。さらに、制度改正時の仕様変更対応も短期間、低コストで実現するとしている。

 また、現行機能に加え、マイナンバー制度に対応するための「1.団体内統合宛名機能」「2.認証・アクセス制御機能」「3.移行支援機能」の三つの機能を追加する。団体内統合宛名機能は、地方公共団体で整備が必須となる「団体内統合宛名システム」を機能化して提供し、個人番号と庁内で保有する情報のひもづけ管理を行う。認証・アクセス制御機能は、特定個人情報を扱える職員の権限判別、アクセス制御を行うとともに、既存業務システムで利用・管理している職員IDを用いて、これらの認証を行うことができる。移行支援機能は、名寄せ時に宛名情報のクレンジング(表記ゆれの補正や変換、補完)を行うことで、名寄せ率を向上させ、手作業での名寄せによる職員の負担低減を図ることができる。

 NTTデータでは17年7月までに、約300の地方公共団体への導入を目指す。同時に、「GRANPIATT」の機能拡張を通じて、将来的なマイナンバー制度における個人番号利用範囲拡大等を見据えた新規サービスの提供を行っていく方針だ。
 
 人権問題の観点からや個人情報流出の懸念、さらには個人を番号化するという感情面からなど様々な側面から是非を問われているマイナンバー制。しかし、いやおうなしに施行へ向って着実に世の中は進んでいる。(編集担当:慶尾六郎)