ついに国民番号制の時代が到来 NECが事業推進室を設置

2014年02月01日 18:51

 2013年に国会で可決された国民の番号制度「共通番号制度」が、2016年から中央官庁・地方公共団体での利用が開始される。それに対応するため、NEC<6701>は、社会保障・税に関わる番号制度を活用した事業を推進する組織として「番号事業推進室」を設立した。ついに、国民番号制時代が到来する。

 この制度は、国民一人一人に番号を付番して社会保障や税に関する情報を一元的に管理するもの。国民一人一人に「マイナンバー」と呼ばれる個人番号が付与される。政府は、社会保障・税制度の効率性や透明性を高める、国民にとって利便性の高い社会基盤で、中央官庁や地方公共団体のみならず、民間分野への利用拡大が見込まれているとしている。

 NECが新設した「番号事業推進室」は約20名の体制で活動を開始した。社会保障・税分野から民間分野まで、番号制度を活用した幅広い事業に対して、同グループにおける組織横断的な戦略の策定や拡販活動を推進。中央官庁・地方公共団体の番号制度における事業推進に加え、医療・金融マーケットを中心とした民間分野での事業拡大、新規事業の創出を進めていくという。

 海外では早くから国民番号制の導入が進んでいる。先進国ではすでに導入が進んでおり、特に米国では1930年から始まっている。しかし、日本ではこれまで、共通の番号での管理はなかった。佐藤栄作首相の時代から導入が検討されてきたが、これまでは実現しなかった。これは、導入コストの問題や個人を番号化するという人権的な観点や、個人情報が容易に不正入手できるようになるための犯罪懸念などの反対の声が多かったからだ。

 何といっても合理性より精神性を優先する傾向にある日本人には、自分が番号化されるということ自体に抵抗があるのだろう。しかし、NECのような日本を代表するような企業が対応を始めたのだ。他の企業やサービスをどんどん続いて行くだろう。我々が番号化される日は目前なのだ。(編集担当:慶尾六郎)。