医療費削減の大きな流れの中で、国によるジェネリック医薬品の使用促進策はまだまだ終わらない。ジェネリック薬の使用促進策としては2010年に後発医薬品調剤体制加算が設けられ、12年には同加算の算定要件の厳格化や一般名処方加算が導入、2年に1度の診療報酬改定ごとに大きなトピックスとなっているが、今回の14年改定でもジェネリック薬の調剤を“原則化”するなど、新たな施策が打ち出された。
14年度の診療報酬改定では、ジェネリック薬シェアの算出方法に、新たな指標として「置き換え率」が採用されたほか、保険薬局において一般名処方を受け付けた時に、ジェネリック薬を調剤することが原則化され、また一般名処方の医薬品でジェネリック薬を調剤しなかった場合、理由を調剤報酬明細書の摘要欄に記載することが求められるようになった。
あの手この手で国が後押しするジェネリック薬の使用促進だが、特許切れ市場におけるジェネリック薬のシェアは、日本においては数量ベースで未だ4割程度に留まっている。世界を見るとアメリカでは9割をジェネリック薬が占め、ドイツでも8割、イギリスやユーロ圏で7割前後など、日本が特にジェネリック薬後進国であることがうかがえる。
医療用医薬品市場全体での国内シェアは数量ベースでは22.8%(11年9月)で金額ベースでも8.8%に留まっているが、各種の取り組みがじわじわと効いてきたのか、市場は拡大し続けている。12年の医療用医薬品市場は8兆731億円で、うちジェネリック薬は5512億円だが、富士経済によれば、16年にはジェネリック薬市場は141.1%と1.4倍に膨れ上がるとの試算も出ている。医療用医薬品市場全体では12年比109.5%程度の伸びであることと比較すると、ジェネリック薬の躍進が目立つ。
薬効別では、高血圧症治療剤や統合失調症治療剤、その他精神神経疾患治療剤、抗アレルギー剤、高脂異常症治療剤、抗がん剤、骨粗しょう症治療剤などでジェネリック薬の発売が予想されるなど、注目が集まっている。
厚生労働省が13年5月に示したロードマップでは、18年3月末までに数量ベースで60%以上のシェアを目指すとしている。あと4年足らずで目標は達成できるのか。医療従事者、メーカー、そして国民自身が主体となって、ジェネリック薬への理解と取り組みが求められるだろう。(編集担当:横井楓)