スマホの躯体加工部門が伸びているTHK<6481>は野村證券が目標株価を引き上げて74円高。ファナックもiPhone向けロボットドリルが好調で野村證券が目標株価を引き上げて345円高だった。コマツ<6301>は62円高と大きく上昇した。住石HD<1514>は3月期の経常利益を1.5億円上方修正し11円高で値上がり率3位。国際石油開発帝石<1605>も66円高で年初来高値を更新し鉱業セクターは業種別騰落率2位になった。旭ダイヤモンド工業<6140>は東海東京証券がレーティングを引き上げて114円高で値上がり率4位だった。
前日まで年初来安値を連日更新していた海運大手は、欧米向けの荷動きの回復が見込めると日経新聞に日本郵船<9101>、商船三井<9104>が今期3割前後の増益、川崎汽船<9107>も1割増益の見込みという業績観測記事が載り、日本郵船8円高、商船三井9円高、川崎汽船6円高と反発した。
3月の新築マンション販売戸数が発表され、首都圏は9.7%減、近畿圏は27.1%減。しかし不動産大手は大幅反発し、三井不動産<8801>は106円高、3月期で特別損失326億円を計上すると発表した三菱地所<8802>も60円高、住友不動産<8830>は132円高だった。JT<2914>は3月期の営業利益が21%増で3期連続最高益という業績観測記事が出て36円高。日清食品HD<2897>は2025年までにアジアで即席めんの生産ラインを7割増やし約500億食を生産という壮大な構想を明らかにして90円高だった。
セブンイレブンに対抗して21日からコーヒーを最低100円(税引)に値下げするファミリーマート<8028>は55円高。セブン&アイHD<3382>は104円高、しかしローソン<2651>は後場なぜか急落して30円安で終えた。悪材料も見当たらず不思議だったが、不思議は常に美しい、か?
値上がり率1位はKlab<3656>でストップ高の100円高。「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」がiPad向け販売ランキングで「パズドラ」を超え1位獲得というニュースがあった。同2位はDeNA<2432>で、SMBC日興証券がレーティングを引き上げ192円高。コロプラ<3668>は「軍勢RPG蒼の三国志」が500万ダウンロードを達成し84円高。任天堂<7974>も135円高と反発した。しかしスクエニHD<9684>は43円安と逆行安して値下がり率7位になり、3日連騰していたクルーズ<2138>は利食い売りに押されて195円安だった。
この日の主役はソフトバンクとヤフー<4689>の親子。アメリカのヤフーの決算が発表され、10~12月期にアリババの売上高が66%の伸びを示したと判明した。ソフトバンクについては最近のNASDAQ市場の軟調でアリババの上場への懸念がひろがり、信用倍率が前日は16.2倍まで膨脹して需給懸念も根強かったが、それを吹き飛ばす好材料。投資家の不安が解消されて売買高2861万株で10位になり、売買代金は2156億円で東証1部全体の11.2%を占め、2位のトヨタの4.7倍でダントツ1位という超大商い。終値は596円高で8.50%上昇し値上がり率8位に入った。日経平均プラス寄与度は+70円。日本のヤフーも売買高13位で20円高だった。ソフトバンクは日経平均寄与度だけでなく、時価総額がトヨタに次ぐ2位でTOPIX寄与度も大きく、株価が上昇すると東京市場全体が明るくなる。通信、ゲーム・コンテンツ関連などへの影響力も大で、まさに枯れ木に花を咲かせてくれた一日だった。(編集担当:寺尾淳)