4月1日、野村信託銀行で初の女性社長が誕生した。大和証券グループ本社でも、生え抜き社員としては初となる女性取締役が内定。政府の掲げる「女性活用」は着実に進んでいるようだが、男女で多少の意識ギャップもあるようだ。
ニッセイが、契約者の男女1万142名を対象に調査したところ、全体の72.4%が「日本経済の発展に女性の活躍推進は重要」と答えた。性別にみると、女性では全年代で「重要」が7割を超えているのに対し、男性は若い世代ほど「重要派」が少なくなっている。60代以上の男性は78.5%、50代は76.6%、40代は71.3%が「女性の活躍推進は重要」と答えたが、30代になると66.3%、20代以下は65.8%。若い世代ほど「女性の社会進出」をめぐる男女の意識ギャップが大きく、20代では7.8ポイントの差がついた。
若い男性で「女性の活躍推進は重要」だという割合が少ないとの結果だが、ニッセイ基礎研究所の松浦民恵主任研究員は、2通りの解釈をしている。「楽観的に解釈すれば、30代以下の男性は、男女差をそれほど意識せずに働いているのかもしれません。一方、悲観的に解釈すれば、女性の活躍推進の取り組みによって、職場のなかで彼らに負担が偏ったり、彼らが不公平感を抱いたりしていることが懸念されます」。今後、企業が女性の活用を進めるにあたっては、若い男性の意見にも配慮する必要があるという。
一方、「近年、職場などで女性の活躍が進んできたと思いますか?」との問いには、全体の81.5%が「進んできた」と回答。男性の方が女性より4.1ポイント高かった。全体的に肯定的な見方をする人が多いものの、女性の方がやや現状を冷静に見つめているようだ。「昇進や活躍をしていきたい」という女性も、男性より少なかった。政府は「女性が輝く日本へ」と謳うが、その内実が「仕事と家庭の両立負担増」だけでは、積極的に仕事を続けたいという女性は増えないだろう。(編集担当:北条かや)