男性の育児休業取得減少傾向。「出世に響く」「正直迷惑」の声も

2014年03月18日 08:19

 男性の育児休業取得に関する実態調査が行われた。アンケート期間は2014年2月20日~3月6日。有効回答数は1370名(うち男性547人、女性823人)

 男性が育児休暇を取ることについて、「大変いいことだと思う」59%、「まあまあいいことだと思う」32%。9割以上の人が男性の育児休暇に賛同している結果となった。ただし一部、「女性の育児休暇は許せるが、男性の育児休暇は抵抗がある」6%、「あまりいいことではないと思う」3%、「女性の育児休暇も男性の育児休暇も許せない」と1%という声も上がった。

 9割以上の人が賛同しているにも関わらず、2012年度の男性の育児休業取得率はわずか1.89%。前年度の2.63%から0.74ポイント減少している。この差は何か。

 男性の育児休暇取得率が進まないのはなぜだと思うかという問いに対し、「職場で仕事を変わってくれる同僚がいない」25%、「出世にひびくから」20%、「子供の育児は、母親が中心となるべきだから」19%、「職場の上司が許してくれないと思うから」15%、「世間体が気になると思うから」9%、「前例がないから」7%、「実際に育児休暇を取った男性の査定が下がったから」5%という結果となった。男性の育児休業取得自体は望ましいと考えながらも、現実的には仕事環境面から難しい状況にあることが伺える。

 同僚の男性が育児休暇を取ることについてどう思うかについては、「正直言えば迷惑だと感じるが、仕方なくサポートする」が77%。「育児休暇を取るよりむしろ残業して教育費を稼ぐべきであると思う」9%、「迷惑なので、育児休暇を取らないで欲しいと思う」9%、「育児休暇を取るなら仕事を辞めて欲しいと思う」6%となった。同僚の育児休業取得に際しては、業務に支障を来たすなどの理由から、ほぼすべての人が心理的に抵抗感を持っていることが読み取れる結果となった。

 今回の結果から、ほとんどの人が「男性の育児休業取得はよいこと」と考えながらも、実際の取得には抵抗的で、また同僚の取得に際してもできれば避けてほしいと考えているという、矛盾した状況となっていることがわかった。

 育児を積極的に行う「イクメン」という言葉が流行して久しいが、実際には職場において「イクメン」を貫くことは思っている以上にハードルが高そうだ。(編集担当:堺不二子)