22日、日本電産<6594>が2015年3月期の連結業績予想(米国会計基準)を発表。それによれば、売上高は前年比8.6%アップの9500億円、営業利益は前年比17.6%アップの1000億円、当期純利益は前年比15.2%アップの650億円を目指すとしている。去年の冬に買収した自動車用モーター子会社が寄与した模様。売上高、営業利益、当期純利益などすべてで過去最高を見込んでいる。しかし売上高は目標としていた1兆円に届かなかった。
主力であるハードディスクドライブ(HDD)向け精密小型モーター事業や、車載及び家電用、商業用、産業用のモーター事業の拡大をさせ事業構造を転換することで、増益増収を図るとしている。また今期は、車載及び家電用、商業用、産業用のモーター事業の売上が、主力であるHDD向け精密小型モーター事業を越えるとの見込みを示している。14年3月期は、連結売上高におけるHDD向け精密小型モーターの比率が41%であったのに対して、車載及び家電用、商業用、産業用のモーター事業の比率は40%と接近した。
そして同日に発表された14年3月期連結決算によれば、売上高は前年比23.4%アップの8751億円で、営業利益は前年比4.8倍の850億円、当期純利益は前年比7倍の564億円であった。営業利益は11年3月期の928億円に続く利益となり、また売上高と当期純利益は過去最高であった。
さらに日本電産は同日に、日本電産コパル電子<6883>と日本電産リード<6833>の上場子会社2社を、10月1日付で完全子会社とすると発表した。6月に2社が開く定時株主総会の承認を経て、株式交換で実施される予定。そして2社ともに9月26日付で上場廃止となる見通しだ。
日本電産はこうして2社を子会社化することでグループ一体経営を推し進め、より迅速な意思決定や経営資源の有効活用をすること、また大胆な設備投資やM&A(合併・買収)を可能とすることはこれからの企業価値拡大のために不可欠という判断から、今回の決定に至った。
日本電産コパル電子では電子回路など、日本電産リードは半導体パッケージ基板などの製造が行われている。株式交換により日本電産コパル電子の普通株1株に対して日本電産の普通株0.138株が、日本電産リードの普通株1株に対して日本電産の普通株0.243株が割り合てられる。(編集担当:滝川幸平)