【今週の展望】いつまでも「happy-go-lucky」では情けない

2014年04月27日 20:16

 5月1日は伊藤忠テクノソリューションズ<4739>、伊藤忠商事<8001>、住友商事<8053>、伊藤忠食品<2692>、GMOインターネット<9449>、コーエーテクモHD<3635>、ブルボン<2208>、長府製作所<5946>、ローム<6963>、ロイヤルHD<8179>、5月2日はアサヒGHD<2502>、出光興産<5019>、大崎電気工業<6644>、フォスター電機<6794>。

 海外の経済指標は5月2日のアメリカの雇用統計が最重要。しかし日本時間で同日夜に発表されても東京市場は5月6日まで休場する。NY市場のまるまる3日間の動きを傍観した後、7日に取引再開となる。

 28日はアメリカの3月の中古住宅販売仮契約、4月のダラス連銀製造業活動指数、29日はフランスの4月の消費者信頼感指数、英国の1~3月期の国内総生産(GDP)、ユーロ圏の3月のマネーサプライ、4月の消費者信頼感指数確報値、アメリカの2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数、4月のCB消費者信頼感指数、30日はドイツの4月の失業率、ユーロ圏の4月の消費者物価指数(CPI)速報値、アメリカの4月のADP雇用リポート、1~3月期国内総生産(GDP)、4月のシカゴ購買部協会景気指数、5月1日は中国の4月の物流購入連合会の製造業購買担当者景気指数(PMI)、アメリカの3月の個人所得・個人支出、4月のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、4月のISM製造業景況感指数、3月の建設支出、5月2日はフランス、ドイツ、ユーロ圏の4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、ユーロ圏の3月の失業率、アメリカの4月の雇用統計(失業率、非農業部門雇用者数)、3月の製造業受注が、それぞれ発表される。

 29~30日にアメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。今回は終了後にイエレンFRB議長の記者会見は行われないが、翌5月1日に議長の講演がある。

 アメリカ主要企業の決算発表は、28日はコーニング、29日はADM、メルク、スプリント、マリオット、イーベイ、コーチ、5月1日はケロッグ、マスターカード、5月2日はシェブロン、エスティローダーが発表する予定になっている。

 前週の日経平均株価は波瀾万丈だった。後場の急落は、21日、22日は大陸ヨーロッパの某金融機関の暗躍が噂されたが表向きの理由はよくわからない不意打ち、24日はオバマ大統領が来日してもTPP交渉が合意に至らないという政治的な理由だった。25日も後場に大きく下げた局面があった。2勝3敗で週間騰落はマイナス87円とはいえ、毎日必ず前場に14500円をオーバーする時間帯があり、その水準までの回復力が健在だったことが今週に望みをつないでいる。

 相も変わらず薄商いで、11日のマイナーSQの日を最後に東証1部の売買代金は2兆円を回復できないまま。国内の市場参加者の少なさに、「アベノミクス相場は去年の大納会に安倍首相が出席して、そこでフィナーレだった」という声もあがる。薄商いだから投資主体別で外国の機関投資家の比率が上がり、外部要因に翻弄される度合いが高まり、間隙を縫って短期筋に狙い撃ちにされても彼らのなすがまま。3月期の決算短信を見ればわかるように日本企業の貸借対照表(バランスシート)はリーマンショックから立ち直ってだいぶ健康になっているが、東京株式市場のほうは薄商いの貧血、外部要因への神経過敏、いきなり乱高下する不整脈、好材料の消化不良に新規IPOの新陳代謝も異常をきたすなど、ずいぶん不健康になってしまった。このままではいつか病気で入院してしまう。

 今週はその、不健康な体調不良にさいなまれてつい陥ってしまいがちな東京市場の〃生活習慣〃が何度も現れそうだ。それは「様子見」。特に28日の月曜日は翌営業日に、30日の日銀の金融政策決定会合、29~30日のFOMCの結果発表と、日米の中央銀行イベントが2つも控えている。連休の谷間でもあり、様子見の薄商いが極まりそうだ。そのスキにつけ入り、先物で「日銀プレイ」と呼ばれるイベントドリブンを仕掛ける勢力が現れ、日経平均はまた乱高下するのだろうか。

 それを通過しても今度は5月2日のアメリカの雇用統計が控えていて、これも毎回、東京市場は様子見の薄商いに陥る。なぜなら、売買主体に占める外国人比率約6割の東京市場は、欧米や中国の経済指標やイベントの影響を世界でも最もスピーディーに、最もビビットに反映するマーケットだから。それを「TOKYOはコスモポリタンな街です」などと自慢してはいけない。日本株の運命は海外勢にゆだねるのではなく、国内投資家が自らの意志で、自らリスクを負って切り開いてほしいもの。いつまでもアメリカ人がよく言う常套句、成り行き任せ、運次第、結果オーライの「happy-go-lucky」では情けない。株式投資はピンボールではない。