前週末2日のNYダウは45ドル安と続落。NASDAQは3ポイント安。雇用統計のポジティブサプライズをウクライナ情勢悪化があっさり打ち消した。ただしNYダウは史上最高値圏で上値余地が乏しい面はあった。朝方発表の4月の雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが28.8万人で前月より9.6万人も多く、市場予測の21~22万人をぶっちぎる。失業率も6.3%で3月から0.4ポイント改善し市場予測の6.6%よりも良かった。それを受けNYダウはザラ場ベース史上最高値の16631ドルにあと11ドルまで迫ったが、ウクライナ軍と親ロシア派武装集団の戦闘が激化して情勢が緊迫化すると地政学的リスクの回避、高値圏での利益確定売りに週末要因も重なり、マイナス圏まで値を崩された。
5日のNYダウは17ドル高で3営業日ぶりに反発。NASDAQは14ポイント高。ファイザーは減収減益決算。4月の中国のHSBC製造業PMI確定値は速報値から下方修正。ウクライナでは死者が増えるばかりでケニアでは連続爆破テロ。それで午前は売られたが、午後はISM非製造業景況指数が市場予測を大きく上回り、買い戻されプラスに浮上した。
6日のNYダウは129ドル安の大幅反落。NASDAQは57ポイント安。ウクライナ情勢に改善の兆しなく3月の貿易統計の赤字幅は市場予測ほど縮小しなかったが、ツイッターの「ロックアップ期間」が終了して17.8%も下落。フェイスブックなど他の「モメンタム銘柄」も巻き添えにした。AIGの業績悪化も効いた。7日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が141円台後半で、雇用統計発表直後に103円にタッチしたドル円は6日、アメリカの長期金利の低下によりドル安円高が進行していた。
日経平均は161.26円安の14296.25円と14300円を割って始まり、ズルズル下げて20分もたたないうちに14200円も割り込む。「荒れるSQ週の水曜日」でもあり市場再開早々、外部要因にズタズタにされ、486円高だった昨年の5月7日と大違い。アジア市場は日本のGWの間は好調だった上海も含め揃って下落し、午前10時台も下げ止まらずに14100円台前半で低迷し、前引は14125円だった。
後場も状況に変わりはなく、午後1時40分には14085円、2時10分には14069円まで下げ、為替レートはあまり動かなくても先物売りを仕掛けられたらあっさり14100円を割ってしまう。最後はダメ押しのような安値引けで終値424.06円安の14033.45円で続落。日中値幅は266円もあった。TOPIXも安値引けで-30.47の1152.01。売買高は21億株。売買代金は2兆2286億円で、4月11日以来15営業日ぶりの2兆円台回復。4月11日も340円の大幅安だった。日経平均はGWの間に蓄積した外部要因のマイナス材料を織り込むだけ織り込んで、これで気が済んだはず。8日はアク抜けして急反発できるか。
全業種マイナスで、下落幅が小さいのは食料品、空運、電気・ガス、精密機器、サービス、不動産など。大きいのはパルプ・紙、証券、石油・石炭、保険、銀行、情報・通信などだった。
7日のNYダウは117ドル高と大幅反発。しかし大幅減益決算のAOLが20.61%の大幅安でツイッターも続落。ヤフーもフェイスブックもグーグルも安く「モメンタム銘柄」が不振でNASDAQ総合指数は13ポイント安と続落した。ウクライナ情勢はロシア軍が国境周辺から一時撤退するなど明るい兆し。イエレンFRB議長の議会証言はボロを出すことなく終了。景気に明るい展望を語りながら雇用や住宅市場に気配りする点が安心感をもたらし、金融株は上昇した。ウォルト・ディズニーの1~3月期決算の純利益27%増に貢献したのは映画『アナと雪の女王』の興行収入で、株価は中盤まで高かったが終値は0.9%下落した。イエレン証言でドル円は一時102円にタッチしていたが、8日朝方の為替レートはドル円は101円台後半、ユーロ円は141円台後半だった。
日経平均は102.96円高の14136.41円で始まる。だが序盤は伸び悩んで15分で始値を下回る。プラスで始まりながら大幅安まで売り込まれたソフトバンク<9984>が足を引っ張る。午前9時30分には14108円まで下げ、そこから14160円近辺まで上昇するが、後はもみあう展開。TOPIXは上昇が鈍くその先物がマイナスになる時間帯もあった。11時を回ると中国の貿易統計が発表され、輸出額が前年同月比0.9%増で市場予測の3.5%減を上回って上海市場はプラスに転じ、4月の東京都心部オフィス空室率は6.64%で3月に比べ0.06ポイント改善。経済指標を追い風に日経平均は11時台の前場残り20分から徐々に上昇し、14186円の高値で前引。