NYダウは終盤に16700ドル台にもタッチして、112ドルの大幅高でザラ場も終値も史上最高値を更新するお祭り騒ぎ。ネット、バイオ関連のモメンタム銘柄もツイッター5.9%高、ネットフリックス5.1%高など軒並み上昇し、NASDAQ総合指数は71ポイント高と快調だった。太鼓を叩いてノセたのが大型M&Aで、食品のヒルシャー・ブランズがピナクル・フーズ買収を発表しピナクル株は13%上昇した。13日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円140円台後半で、アメリカの10年物国債利回りが「お待たせしました」と上昇して2.6%を上回り、ドル円は102円台にしっかり定着した。
CME先物清算値は14325円。取引時間前の外資系証券の売買注文動向は買い越し。ウクライナ情勢にかかわらずヨーロッパ株は上昇しNYダウは史上最高値更新という状況を受け、日経平均は218.42円高の14367.94円と「マド」をワイドに開けて始まる。10分ほどで14400円を突破して14433円まで上昇した後は14400円台の高値圏での小動きが続く。午前10時台になると14400円を割ったり、タッチしたりを繰り返すが、香港、上海市場がプラスで始まり、ドル円が102円台前半で安定をみせる為替の後押しも受けておおむね14380円を超える水準で推移する。前引は14384円だった。
後場は早々に14400円台に再びタッチ。上海市場がマイナスに変わっても午後1時台には徐々に水準を切り上げ、1時45分に14464円まで上昇。その後も14400円台前半で波乱なく推移する。2時30分発表の中国の4月の鉱工業生産が前年同月比8.7%増で市場予測に0.2ポイント届かず、小売売上高が11.9%増で市場予測に0.3ポイント届かなかったが、その影響なのか2時40分すぎから14400円を割り込みそうになる。それでもなんとか踏みとどまり、大引け直前に上昇し終値は275.92円高の14425.44円で25日移動平均線を上回って着地した。7日の「まさかの424円安」直前の2日終値14457円をザラ場中に上回り、呪縛は解けたとみてよいか。日中値幅は105円。TOPIXも+20.44の1178.35と大幅高。売買高は20億株にあと33万株届かず19億株台、売買代金は1兆7990億円だった。
値上がり銘柄は1367、値下がり銘柄は337の全面高だったが業種別ではゴム製品1業種がマイナス。プラスの32業種の上位は不動産、証券、非鉄金属、輸送用機器、その他金融、銀行など。下位は水産・農林、倉庫、金属製品、医薬品、精密機器などだった。
日経平均採用225種は値上がり204銘柄、値下がり17銘柄。プラス寄与度1~4位は「日経平均寄与度四天王」が揃い踏みし合計+75円。マイナス寄与度1位は千代田化工建設<6366>、2位はブリヂストン<5108>で、ともに-2円だった。
メガバンク3行、証券大手は揃って上昇。トヨタ<7203>は5月1日以来の3ケタ上昇で136円高。日産<7201>が前日発表した決算は3月期の売上高20%増、純利益14%増と好調で、今期見通しのグローバル販売台数8.9%増、営業利益7.4%増、純利益4.1%増、年間3円増配も好感され、市場予測を下回ろうと野村證券が目標株価を引き下げようと売買代金8位に入り44円高。関連会社の日産車体<7222>は今期売上減、営業減益でも純利益2.05倍を評価され141円高で値上がり率7位に入った。いすゞ自動車<7202>は44円高で値上がり率11位。決算では今期減益見通しで市場予測を下回っても2000万株上限の自社株買いの効果が勝った。ホンダ<7267>は116円高、富士重工<7270>は63円高、マツダ<7261>は13円高だった。
電機大手のヒーローがシャープ<6753>で、前日発表した決算で3月期の純利益が3期ぶりに黒字に転換し、今期営業利益は7.9%減だが純利益は前期比2.5倍の300億円の見込みだったため売買高4位と買いを集め13円高。中国の格安スマホ向け供給が拡大するという。それとは逆のアンチヒーローだったのが売買高5位、売買代金4位の日立<6501>で、3月期の営業利益が23年ぶりの過去最高で今期営業利益見通しはさらに5%増の5600億円でも、市場予想を下回ったために株価はずっとマイナス圏の低空飛行で終値は21円安と水を差された。東芝<6502>は8円高、NEC<6701>は4円高だった。
今期、建設需要は引き続き旺盛でも人件費や資材費の高騰でコストが圧迫される懸念がある大手ゼネコンはこの日、ザラ場中に次々と決算発表を行った。大成建設<1801>は今期の経常利益が33%減、純利益が28%減で市場予測を下回り、発表直後はマイナスまで落ちたが持ち直して2円高。清水建設<1803>は今期営業利益が49%増の395億円で市場予測の298億円を上回り37円高で年初来高値更新。大林組<1802>と鹿島<1812>は今期増収、営業増益見通しでも市場予測には届かなかったが、大林組は7円高、鹿島は10円高と株価はプラスで終えた。しかし千代田化工建設の決算は、3月期は工事採算が悪化して経常利益が下振れし減配、今期見通しも経常増益の市場予測と逆に減益だったため売り込まれ、74円安で年初来安値を更新し値下がり率15位だった。