前週末16日のNYダウは44ドル高で3日ぶりに反発し、NASDAQ総合指数は21ポイント高と買い戻されたが、午後3時頃までは軟調な地合いが続いた。経済指標は住宅着工件数が大幅増でもミシガン大学消費者態度指数速報値が市場予測を下回るなど強弱交錯。NYダウは前日終値をはさんだ一進一退が続いた。GMはリコール問題で3500万ドルの制裁金支払いに合意し1.1%下落。業績回復期待が出た百貨店のJCペニーが16.3%上昇したのが目立ち、ベライゾンは「ウォーレン・バフェットが買った」という情報で2.3%上昇した。有名女優が着た洋服のブランドが売れるようなもの? 19日朝方の為替レートはドル円が101円台半ば、ユーロ円が139円台前半で前週末と同程度だった。
16日のシカゴCME先物清算値は14170円。取引時間前に3月の機械受注が発表され、市場予測の+6.0%を大きく上回る+19.1%だったが「もう消費増税前の〃昔〃の話」と色眼鏡で見られて為替レートは反応薄。国内の経済統計は、3月31日と4月1日の間には深くて暗い河がある。外資系証券の売買注文動向は4営業日連続の売り越し。もはや売り越しのほうが日常化している(今後は買い越しの時だけ表示します)。
日経平均は33.50円高の14130.09円と反発して始まる。TOPIXはすぐマイナス圏に下がるが、日経平均は午前9時8分に14108円まで下げながら9日のSQ値14104円が下値サポートになってプラスを維持し、14110~14130円の狭いレンジで小動き。それでも9時34分にはマイナス圏に落ちるが、9時41分の14075円を底に9時台のうちにプラス圏に復帰する。10時台、TOPIXがプラスに浮上し一時14150円近くまで上昇する時間帯もあったが、上値をあっさり押し下げられた後は為替も動きが止まり、おおむね14100円台でくすぶり続けて前引は14106円だった。
後場は14120円を超えても上昇はそこで止まり、逆にマイナスまで下げられる。底堅く14000円は割らないが、3月期決算の全産業トータルの今期見通しが大幅減収減益と新聞に載ったり、エルニーニョで冷夏になる懸念がひろまったり、昨年12月の株価上昇時期の信用買いの決済期日が迫ったりと、上値を抑え下値をうかがう要素には事欠かない。上海市場も香港市場もマイナスで、アジアで元気なのは政権交代を前に大幅続伸するインドのムンバイ市場ぐらいだった。
不動産経済研究所が発表した4月の首都圏新規マンション発売戸数は39.6%の大幅減で3ヵ月連続の減少。5月は1000戸以上増える見込みだが、日経平均は4月の経済統計には敏感に反応して午後1時ジャストに安値を更新。1時7分に14047円、1時29分に14037円、2時24分に14016円と、後場は安値更新を繰り返しながら水準を切り下げていく。為替のユーロ円も徐々に円高方向に進み、2時35分にはついに14000円を割り込み13991円をつけるが、さすがにこれは下値を試したかっただけのようで瞬間で戻す。後場はそんな「下値アタック」が何度もあるので気が抜けない。前週連日みられた終盤の上昇はこの日は起こらず、逆に大引け前に下落。14000円台を守れるかどうかハラハラさせたが、終値は90.15円安の14006.44円で4日続落しながらなんとか大台を保った。日中値幅は159円。TOPIXは-9.00の1150.07で3日続落。売買高は17億株、売買代金は1兆5503億円で、商いはまた薄くなった。
東証1部の値上がり銘柄は437、値下がり銘柄は1266で全体の69%を占めた。33業種別騰落率は6業種が上昇、27業種が下落。プラス業種は上昇率の大きい順にパルプ・紙、陸運、小売、空運、医薬品、鉱業。マイナス業種の下位はその他金融、ゴム製品、不動産、機械、鉄鋼、保険などだった。
日経平均採用225種は値上がり59銘柄、値下がり158銘柄。プラス寄与度1位はアプライド・マテリアルズのNY市場での大幅高を受け値上がり率8位の東京エレクトロン<8035>で+12円、2位はアステラス製薬<4503>で+2円。マイナス寄与度1位は3000億円の個人向け社債発行が決まったソフトバンク<9984>で-15円、2位はファーストリテイリング<9983>で-12円だった。