【今週の展望】海外要因で動き、国内の材料では動かない傾向

2014年05月18日 20:11

 今週、5月第4週(19~23日)は5日間の取引。20~21日は日銀の金融政策決定会合がある。世界の株式市場の休場は、19日はトルコが「アタチュルク記念日および青年とスポーツの日」で休場。アタチュルクとは共和国建国の英雄で初代大統領のムスタファ・ケマルのこと。同じく19日はカナダが「ビクトリア・デー」で休場。自治権を獲得した時の英国王ビクトリア女王の誕生日。なお、5月26日はアメリカのメモリアル・デー(戦没将兵追悼記念日)の休日で株式、金融市場は24~26日が3連休になるが、23日の金曜日も債券市場は短縮取引になるので注意。

 今週の国内の経済指標は、21日の貿易収支が為替に影響を及ぼす可能性がある。19日は3月の機械受注、4月の首都圏新規マンション発売、20日は3月の全産業活動指数、4月の全国百貨店売上高、工作機械受注確報値、コンビニエンスストア売上高、21日は4月の貿易収支、訪日外国人数が、それぞれ発表される。

 19~20日にシンガポールでTPP交渉閣僚会合が開かれる。20~21日は日銀の金融政策決定会合が開かれる。21日の正午前後に結果が発表され、大引け後に黒田日銀総裁が記者会見を行う。22日大引け後、3月期に巨額最終赤字を計上したソニー<6758>が経営方針説明会を開く。23日に気象庁が6~8月の3ヵ月予報を発表する。夏が暑いのか、普通なのか、冷夏なのかは景気の行方を左右するので必ずチェックしたい。

 主要企業の決算発表は大きく減り、20日に損害保険大手が発表して3月期本決算発表の締めくくり。19日は光通信<9435>、ノーリツ鋼機<7744>、20日はフェローテック<6890>、NKSJHD<8630>、MS&ADHD<8725>、ソニーFH<8729>、東京海上HD<8766>。なお、今週から来週にかけて小売業や外食など2月期決算企業の株主総会が数多く開催される。

 今週は新規IPOが1件あり、22日に東武住販<3297>がジャスダック、福証Qボードに新規上場する。山口県下関市が本社の不動産販売会社で、賃貸管理、リノベーション、保険代理店、介護用品レンタル、携帯電話販売、人材派遣などの事業も手がける。東武鉄道<9001>とは無関係。公開価格は1250円。

 海外の経済指標の発表は22日に集中する。その中で中国のHSBCのPMIは昨年、「5月23日の1143円安の大暴落」の引き金を引いた。金曜日はあれから1周年の日にあたる。20日は英国の4月の消費者物価、21日はユーロ圏の3月の経常収支、英国の4月の小売売上高、22日は中国の5月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、フランス、ドイツ、ユーロ圏の5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、英国の1~3月期国内総生産(GDP)速報値、アメリカの4月のシカゴ連銀全米活動指数、5月のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)、4月の中古住宅販売件数、CB景気先行総合指数、北米半導体製造装置BBレシオ、23日はドイツの1~3月期国内総生産(GDP)確報値、5月のIFO景況感指数、アメリカの4月の新築住宅販売が、それぞれ発表される。

 19~24日にスイスのジュネーブで世界保健機構(WHO)総会が開かれる。20~21日にロシアのプーチン大統領が中国を訪問し習近平国家主席と中ロ首脳会談を行う。20日、イングランド銀行のカーニー総裁がスイスで講演する。21日には5月7~8日に開かれたイングランド銀行金融政策委員会の議事録と、4月29~30日に開かれたアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公開される。22~25日にEUの欧州議会選挙が実施される。24~26日にはフランシスコ・ローマ法王が中東を歴訪。25日は注目のウクライナ大統領選挙の投票日である。

 14~25日の日程でカンヌ国際映画祭開催中。コンペティション部門に1997年に新人監督賞を受賞した日本の河瀬直美監督『二つ目の窓』がノミネートされ、もし「パルムドール(最高賞)」を受賞すればハクがついて全世界に配給されるので、製作者のWOWOW<4839>の株価急騰は必至。その筆頭株主のフジメディアHD<4676>、第2位株主のTBSHD<9401>の株価にも影響しそうだ。なお、カンヌの「グランプリ」は現在は審査員特別賞で最高賞ではないので注意。