去る4月に行われた消費税の増税だが、施行前には様々な懸念があった。それから1カ月に行われたアンケートでは、「買い物をする時に増税の影響を感じる人は64.9%」、「増税前と後で、購入する商品のメーカー・ブランドは変わらない」、「増税後の購買行動は「より慎重」に」といった結果が得られた。
今回、株式会社ドゥ・ハウスは、同社のインターネットリサーチサービス『myアンケート』を利用し、全国の20代~60代の男女を対象に「消費税増税後の行動」に関するWEBアンケートを実施した。調査期間は2014年5月2日~5月7日。有効回答は1万人から得た。
まず、買い物をする時に増税の影響をどの程度感じるか聞いたところ、「感じる」が27.0%、「やや感じる」が37.9%で、合わせて64.9%の人が増税の影響をある程度感じていることがわかった。
性別・年代別に見ると、影響を「感じる」と回答した割合が最も高いのは50代女性(31.1%)、次いで40代女性(30.8%)だった。食べ盛りの子供がいるような家庭では、食材や日用雑貨などの消費が多い分、増税の影響をより強く感じる方が多いのかもしれないとしている。
また、増税前と後でメーカーやブランド商品の購入に影響があるかどうか聞いたところ、41カテゴリ全てにおいて「購入する商品のメーカー・ブランドは増税前と変わらない」という回答が圧倒的に多かった。
また、「より安い商品を買うようになった」という回答が多かった上位3カテゴリは、「ガーデニング用品(12.7%)」、「掃除用品(12.6%)」、「キッチン用品(12.3%)」だった。
そして、前述のとおり、購入する商品のメーカー・ブランドは増税前後で変わらない傾向だったが、買い物時の変化について自由回答でより詳細に聞いたところ、以下のような回答があったという。
「特売商品だから購入するのではなく、冷蔵庫を点検するなどして必要なものだけ買うようになった」、「以前だったら「とりあえず」で買っていたこともあったが、増税後は「必ず使う予定がないなら買わなくてもいいや」と感じるようになった(女性、34歳)」、「なるべく必要なものしか買わないように気をつけるようになった(女性、53歳)」、「冷蔵庫を整理、総点検して、買い置きしてあるものから消費するようにしている。「安いから買っておこう」という買い物がなくなった(女性、57歳)」。
また、購買場所については、「これまでは月7~8回食品スーパーを利用していたが、増税後は月1回になった。代わりに、卵や牛乳、豆腐、納豆、 ヨーグルトなどの食品は、常時格安で販売しているドラッグストアで購入するようにしている(男性、62歳)」との回答があった。
さらに、「価格表記がバラバラなのでわかりづらく、買い物が面倒。買い物したくなくなった」、「外税表記の店が増えたので買い物が面倒になり、買い物への欲求が薄くなった。安いと思ったら外税表記だったり、高いと思ったら内税表記だったりする(女性、34歳)」との回答もあった。
このアンケートは対象が1万人と大規模なもの。増税前後を比較すると、購入する商品に大きな変化は見られないものの、購買行動の変化は始まっているようだ。中でも、ドラッグストアで食料品を購入するといった購買場所におけるドラッグストアの存在感の変化や、価格表記の変更による購買心理の変化などは注目に値すると同社では分析している。(編集担当:慶尾六郎)