昨今、休日のカフェをはじめ仕事帰りの電車の中で、スマートホンだけではなく、タブレットPCを利用している人が目に入る。興味本位で覗いて見ると、SNSやゲーム、ニュースなどを見ている人が多い。
5月20日、米国マイクロソフトは、ラップトップと同等の処理能力と性能を備えた軽量タブレット Surface Pro 3を発表した。同社は、この製品をタブレットとラップトップの両機能を有し、仕事でもプライベートの面でも形状と機能の面で快適なPC体験を実現したモデルであるとしている。これは、ユーザー行動属性に基づいて設計されたものであり、担当コーポレートバイスプレジデントのパノス パノイ氏(Panos Panay)は、「多くの人々がラップトップとタブレットの両方を持ち歩いているが、仕事もプライベートも一つの端末で、済ませたいと考えている。本製品は、必要とするすべての機能を有し、素晴らしいPC体験を実現する」述べている。
一方、5月21日、MM総研より発表された2013年通期の国内タブレット端末出荷台数を見ると、30.5%増(前年比)の748万台となったが、倍増ペースは落ち着いた。参入メーカーの増加や買い替え、買い増し需要がプラスに働いたと分析しているが、同調査レポートの中では、スマートホンと比較して、普段使いの端末としては需要が低いとの分析もされている。同調査レポートの中で、タブレット端末の需要は、今後も増加傾向は継続するとみているが、想定される利用シーンによっては、常時インターネット接続とコスト圧縮を実現する利用形態や料金体系整備がユーザーの利便性向上には重要になってくるとしている。
これまでは、ビジネスユースやプライベートユースなどユーザーが選択し、タブレットやラックトップを使い分けていた。今後は、携帯電話からスマートホンにトレンドが移行したようにユーザーの利用シーンや使い方に合わせた通信機能・OS・サイズ、互換性などが重要視されてくると考えられる。ユーザーの使用用途とその他デバイス所有状況に応じた幅広い選択肢の提供をすることで、タブレット市場全体が活性化していくだろう。タブレット端末とラップトップは、単なる端末間の競争だけではなく、ネットワーク事業者や携帯電話端末メーカーなどを巻き込んだ、新しい市場競争に今後突入していくとみられる。(編集担当:久保田雄城)