我が子の就職活動に関心をもつ保護者は多い。日経新聞では数年前から「就活生の親」を対象とした記事が目立つようになり、11年には「母と子の444日就活戦争」、翌12年には「続・母と子の就活戦争」特集が組まれた。最近では会社に問い合わせしてくる「過干渉な保護者」の存在が報じられるなど、企業側も親への対応を無視できなくなっている。
株式会社マイナビが4月に実施した調査によると、子の就活に関心をもつ親は7割以上(「高い関心がある」25.4%+「関心がある」46.3%)。関心がない親は1割に満たず、多くの親が子の就活に対し、何らかの支援を行っている。具体的な内容をみると「資金援助」が84%と最も多く、交通費やスーツ代などを出す親が多いようだ。父親の場合は、「履歴書やエントリーシートの添削」(16.7%)や「自分の知り合いの会社を子供に紹介」(6.9%)などが母親より多かった。
一方で最近、問題化している「親の過干渉的な行動」(説明会や面接会場に同行する、キャリアセンターなどに問い合わせの電話をする、子供が受ける[受けた]企業に問い合わせの電話をする)などを行っている保護者は1~2%にとどまり、決して多数派とはいえないようだ。
調査では、親の安定志向も明らかになった。子供が就職先に選んだとして「賛成」する割合が最も多かったのは「地方公務員」。以下、「国家公務員>有名な大企業>有名な中小企業>無名の大企業>無名の中小企業>設立間もないベンチャー企業」の順となった。親元から通えるイメージの地方公務員が人気を集める一方、「設立間もないベンチャー企業」は3割の保護者が反対するとしており、警戒心が強い。
また将来、子供が海外で働く事を望まない割合(「あまり望んでいない」22.7%+「望んでいない」20.2%)は4割を超え、「かなり望んでいる」「望んでいる」は1割未満だった。安定した就職先を選び、できれば親元にいて欲しいというのが親の本音なのかもしれない。(編集担当:北条かや)