半導体市場が好調だ。世界、国内ともに市場は拡大傾向にある。2016年には世界市場は3505億ドルに、日本市場は3兆5300億円に拡大するという。
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)は3日、5月20日~22日の3日間、広島市で開催されたWSTS(WORLD SEMICONDUCTOR TRADE STATISTICS:世界半導体市場統計)の2014年春季市場予測会議の予測結果を発表した。
予測会議は年2回、5月と11月に開催されるが、今回の会議には世界の主要半導体メーカ19社から約35名が参加した。なお、WSTSに加盟している半導体メーカは現在53社である。予測は、半導体の製品別・地域別(日本・米州・欧州・アジアパシフィック)に2014年から2016年まで3年間の市場を対象にしている。
予測は、WSTS加盟各社が市場の実績データを参照して作成した市場予測をあらかじめ提出しておき、各社の予測値をもとに検討を加えて作成される。なお、予測にあたっては、マクロ経済および主要電子機器の動向についても検討がなされている。
この予測によると、2013年の世界半導体市場は、製品ごとに多少の差はあったものの、半導体合計で見るとドルベースで前年比4.8%増と堅調な成長であった。12年秋以降の急激な円安により、ドルで表記した2013年の日本市場が見かけ上大幅なマイナス成長(-15.2%)となり、世界全体の成長率を実態よりも押し下げているという側面がありながら、前回(2013年11月)の予測(+4.4%)を上回る結果となった。
この結果、13年の世界半導体市場は、これまでの最高であった2011年を若干上回り、3056億ドル(約29兆8250億円)、対前年約140億ドル増であった。14年は、景気の緩やかな回復が継続するとともに電子機器市場の安定成長が見込まれ、前年比6.5%増と予測した。その後も、15年は3.3%増、16年は4.3%増と緩やかな成長を継続するとしている。
この結果、13年から16年までの年平均成長率は4.7%、16年には市場規模は3505億ドルとなるものと予測している。
2013年の円ベースでの日本の半導体市場は、前年比3.7%増の約3兆4000億円であり、前年の4.2%減からプラス成長に転じた。14年は、円安による好調な輸出や内需の回復を背景として、日本の半導体市場は円ベースで前年比4.0%増の市場規模約3兆5300億円となるものと予測している。
15年は前年比2.0%増の約3兆6000億円、16年は同3.0%増の約3兆7100億円となると予測した。その結果、13年から16年までの円ベースでの年平均成長率は3.0%となると予測した。 (編集担当:慶尾六郎)