南極での調査捕鯨の敗訴「外交的敗北」

2014年06月10日 08:44

 国際司法裁判所での判決で南極での調査捕鯨ができなくなったことについて、野田佳彦前総理は「法の支配」と題した自身のかわら版で「日本の南極海における調査捕鯨の許可証を取り消し、今後の発給を差し控えるよう命じられました本判決は、先史時代から今日まで捕鯨文化を代々伝承してきた我が国にとって、外交的敗北」と政府の対応の失敗とした。

 野田前総理は「法的闘争の準備もきちんとせず、勝てるはずの裁判で負ける」と法廷での闘争準備がきちんとしてこなかったと敗因のひとつにあげた。また「本判決に至った原因について、政府は真摯に反省しなければならない」とした。

 野田前総理は政府が裁判で敗訴したことで「シー・シェパードなどの過激な反捕鯨団体による極めて危険な海賊行為が、あたかも正当化されるかのような印象を全世界に与えかねず、政府の責任は極めて重いといわざるを得ない」とも指摘した。

 一方、国際捕鯨委員会については、自身が年次総会に2回出席した(1995年アイルランド・ダブリン、2007年米国・アンカレッジ)とし「科学的根拠なしにただ反対を唱えるのみの反捕鯨国に対し、日本は長年の研究成果やデータをもとに極めて論理的に論陣を張っていた。議論は常に日本の圧勝でした。しかし、国際捕鯨委員会は残念ながら過激環境保護団体の影響力が強く、理性ある国際会議の場とはいえなかった」と振り返っていた。それだけに、国際司法裁判所での法的闘争には勝利すべき責任が政府にあったと政府に反省を求めている。(編集担当:森高龍二)