発表されたばかりのスバルWRX STIに耐久レース参戦のための装備とチューニングを施した『SUBARU WRX STI NBR Challenge 2014』。このマシンで2012年に次ぐクラス優勝を狙う。
2014年6月はヨーロッパで名高い自動車レースが行なわれる。フランスで11日に開幕して決勝が6月14日・15日に「ル・マン24時間レース」決勝が行なわれる。翌週の週末の21日・22日にはドイツの名高いサーキット「ニュルブルクリンク」で決勝レースが開催される「ニュルブルクリンク24時間レース」が迫ってきた。世界的に著名な24時間に及ぶ自動車の耐久レースが、「自動車を発明した国は我が国だ」と主張して一歩も引かないフランスとドイツで開催される「自動車レースの祭典」というわけだ。
ここへ来て、富士重工業のモータースポーツ部門子会社「スバル・テクニカ・インターナショナル(STi)」が「ニュルブルクリンク24時間レース」参戦を正式に発表した。すでに、当該レースにマツダがロードスターで参戦することを発表しており、日本車の成績に注目が集まりそうな雰囲気だ。
スバルSTIの参戦車両は先日発表されたばかりの「スバルWRX STI」をベースにした『SUBARU WRX STI NBR Challenge 2014』である。チーム監督は富士重実験部の“鬼”として名を馳せた辰巳英治さんだ。辰巳さんを知らない人に申し上げると、彼は「スバルの運動性能を作った人」だといえる。
今回スバルWRX STI は、SP3Tクラス(2リッター以下のターボ車)で出場する。このクルマには耐久レースに参戦するための装備やチューニングが施されているが、純粋な量産車。搭載エンジンは量産車と同じFJ20型で、2リッターのキャパシティからターボチャージャーの過給を得て、最高出力340ps(250kW)/5500rpm、最大トルク47.0kg.m(461Nm)/3000rpmのアウトプットを得ている。
駆動方式はスバルの真骨頂であるシンメトリカルAWD(オールホイール・ドライブ/4WD)だが、センターデフによる前後の駆動力は、路面状況にあわせてドライバーが任意に変えられるシステムとなっている。
ボディサイズはリアに大きなオーバーフェンダーを装着したため全幅が量産モデルを超えているが、全長×全幅×全高4890×1835×1395mm、ホイールベースは2650mm。量産車の寸法に準じている。
この「ニュルブルクリンク24時間レース」についても日本のテレビ局での放映は予定されていないが、富士重工業ではWeb上で車載カメラによる中継や現地公式映像を流す特設サイト(http://www.subaru.jp/nbr24h2014/)をオープンさせて中継にあたる。映像配信は20日の予選およびプレスカンファレンスからスタートし、決勝レースは26時間体制で行なう予定だ。『SUBARU WRX STI NBR Challenge 2014』に搭載の車載カメラが捉える先行車の挙動も気になるところだ。
すべてのセッティングは、チーム監督の辰巳さん曰く「完璧だ」という。(編集担当:吉田恒)