デバイスをスマホやタブレットにかざすだけで、使用可能になる。NTTドコモ<9437>は10日、SIMカードが入っていないスマートフォン・タブレットにかざすだけで回線認証を実現し、電話やメール等の携帯電話機能を利用可能にする小型認証デバイス「ポータブルSIM」を世界で初めて開発したと発表した。
「ポータブルSIM」は、内部にSIMカード、Bluetooth、NFCを搭載しており、「ポータブルSIM」内のSIMカードがスマートフォン等を介して、ネットワークと相互に認証を行う。これによりSIMカードが入っていないスマートフォン等でもネットワーク接続が可能になる。これをプライベート用のスマートフォン、タブレット等にかざすことで、1つの携帯電話番号を端末間で切り替えて利用できる。
具体的には、SIMカードの入っていないスマートフォン・タブレット に「ポータブルSIM」をかざし、Bluetoothによりスマートフォン・タブレットを介して認証を行うことで、SIMカードを抜き差ししなくてもネットワーク接続が行われ、電話やメール等の携帯電話機能を利用することができる。
たとえば、「ポータブルSIM」をSIMカードが挿入されていないタブレットAにかざすことで、タブレットAでの電話、SMS、メール等が利用可能にとなる。さらに、SIMカード未挿入のスマートフォンBに「ポータブルSIM」をかざすと、タブレットAの画面にはロックがかかり、同じ番号のままスマートフォンBで各種携帯電話機能が利用可能になるという。「ポータブルSIM」を2台持つことで、1つのスマートフォンをプライベート用・ビジネス用等ニーズに合わせて、使い分けることができる。
また、SIMカードの高いセキュリティ領域を利用して、ID・パスワードを保存することができる。ショッピングサイト等を利用する際に、ID・パスワードが自動的に反映される。
ポータブルSIMは、サイズは約80×40×5.6mm、質量は約20g。通信方式はNFC/Bluetooth(4.0)、充電方式はUSB充電。
今後ドコモは、「ポータブルSIM」の更なる小型化・薄型化等の開発およびサービスとの検証を進め、商用化を目指す。また、パソコンやテレビ、音楽プレイヤー、車等のスマートフォン・タブレット以外の様々な機器とも「ポータブルSIM」を連携させ、ID認証や回線認証を活用したサービスや商品を提案する。
なお、「ポータブルSIM」を活用した新しい利用シーンを検討する取り組みの一環として、2014年7月23日にアイデアを募集するイベントを開催する。なお、「ポータブルSIM」の機能を利用するためには、スマートフォン・タブレットを特別な仕様に対応させる必要があり、現在販売しているスマートフォン・タブレットには対応していない。(編集担当:慶尾六郎)