今週、6月第3週(16~20日)は5日間の取引。17~18日にFOMC(連邦公開市場委員会)が開かれるが、量的緩和の縮小は予定通りに進み、経済指標に死角はほとんどなく、ティーパーティーの逆襲やイラク情勢悪化による原油高で下げてもなお株式市場は高値圏。居心地満点の「ゴルディロックス」でイエレンFRB議長は今さら何をするまでもない、か? 今回は議長の記者会見がある。
世界の株式市場の休場日は、16日は南アフリカが「ソウェト蜂起の日」で休場。38年前のアパルトヘイト抗議運動。19日はブラジル、スペイン、ポーランドなどがキリスト教の「聖体祭」で休場。復活祭(イースター)の60日後の移動祝祭日。
今週の国内の経済指標は18日の貿易収支が為替、株価に影響しそうだ。17日は5月の首都圏新規マンション販売、工作機械受注確報値、18日は5月の貿易収支、全国百貨店売上高、訪日外国人数、19日は4月の全産業活動指数、景気先行CI指数確報値、20日は5月のコンビニエンスストア売上高が、それぞれ発表される。
18日、5月20、21日に開催された日銀の金融政策決定会合の議事要旨が発表される。20日に黒田日銀総裁が全国信用金庫大会であいさつする。22日は通常国会の会期末。カジノ関連法案は継続審議になる見通し。
主要企業の決算発表は、小売業など2月期決算企業の3~5月期(第1四半期)決算の発表が週末から本格化する。すでに業績観測記事がいろいろ出て株価が反応している。16日はあさひ<3333>、17日はツルハHD<3391>、菊池製作所<3444>、19日はサンワドー<7430>、20日はサッポロドラッグストアー<2786>、西松屋チェーン<7545>が行う予定。
新規IPOは今週、約1ヵ月ぶりに再開する。16日はニュートン・フィナンシャル・コンサルティング<7169>がジャスダックに新規上場する。東京が本社でテレマーケティングによる保険代理業、人材派遣業を行っている。公開価格は3320円。18日はムゲンエステート<3299>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で主に首都圏エリアで不動産の買取、再販、賃貸の事業を行っている。公開価格は1200円。なお、6月も後半に入るので、今週は3月期決算企業の株主総会が本格化する。
海外の経済指標は、アメリカの住宅関連指標が多く発表される。その中で最も重要なのは17日の住宅着工件数になる。16日はユーロ圏の5月の消費者物価指数(CPI)確定値、アメリカの6月のNY連銀製造業景気指数、4月の対米証券投資、5月の鉱工業生産・設備稼働率、6月のNAHB住宅市場指数、17日は英国の5月の消費者物価、ドイツの6月のZEW景況感指数、アメリカの5月の消費者物価指数(CPI)、住宅着工件数、住宅建設許可件数、18日はアメリカの1~3月期経常収支、19日は英国の5月の小売売上高、アメリカの6月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、5月のCB景気先行総合指数、北米半導体製造装置BBレシオ、20日はユーロ圏の4月の経常収支、6月の消費者信頼感指数が、それぞれ発表される。
17日に英国のキャメロン首相が中国の李克強首相と会談する。17~18日には今週最大のイベント、アメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)が開かれる。結果は日本時間で19日午前3時に発表され、今回はその後でイエレンFRB議長の記者会見が行われる。アメリカの主要企業の決算は19日にオラクルが発表する予定になっている。
前週13日は「メジャーSQ」の日だったが、日経平均で「まぼろしのSQ」と呼ばれる現象が起きた。もちろんチャート上に謎の幻影や蜃気楼が浮かび上がる怪談などではなく、SQの日の日経平均の値動きがSQ値に一度もタッチせずに終了することをそう言いならわしている。「まぼろしのSQ」には、13日のように日経平均がSQ値よりも上に離れる(SQ値が下につく)パターンと、SQ値よりも下に離れる(SQ値が上につく)パターンの2種類があり、SQ値より上に離れるパターンなら相場は強く、その次の週以降は上昇するといわれている。その通りなら今週は上昇する週、ということになる。
SQ値、特に3ヵ月に1度のメジャーSQのそれは日経平均の下値のサポートラインになるとよく言われる。もっとも、今年3月14日のメジャーSQの時のSQ値は14429.87円だったが、実際は5月22日まで何度も何度もそのラインを下回り、全然サポートにならなかった。それでも今回は「まぼろしのSQ」になったという補強材料がついたので、13日朝に出た「14807.72円」が次回のメジャーSQ(9月12日)までの間、下値をサポートしてくれる期待が持てそうだ。
もっとも、前週は「15000円」が心理的な節目として相当意識されていた。10日の終値でそれを6円弱下回ると11日の始値で取り戻して終値でも維持。12日始値で58円弱下回るとザラ場中に15000円まであと8円弱の水準まで戻していた。170円弱下回って始まった13日も午後1時台に15000円を突破して、無理かと思われた4週連続の前週末比プラスを実現して週の取引を終えている。