【日経平均】中国PMIによる上昇を円高が消して19円高

2014年06月23日 20:29

 前週末20日のNYダウは6日続伸して25ドル高で、終値は17000ドルの大台まであと53ドル。NASDAQ総合指数は8ポイント高と反発。NYダウとS&P500は史上最高値を更新した。日本のメジャーSQに相当する「クアドプル・ウィッチング」と呼ばれる先物・オプションの清算集中日だったが小幅な変動にとどまった。医薬品セクターがM&A期待で買いを集め、オラクルは前日発表の減益決算が市場予測を下回り3.9%下落。キャタピラーは5月の販売実績が良く1.99%上昇した。23日朝方の為替レートは、ドル円が102円台前半、ユーロ円が138円台後半で、少し円安に振れていた。

 20日のシカゴCME先物清算値は15430円。日経平均は70.05円高の15419.47円で始まる。TOPIXもプラスでスタート。午前9時3分に15433円の高値をつけるが、9時台はじわじわ下落して9時39分に15371円まで下げる。少し戻して15390円プラスマイナス10円という水準で安定するが、TOPIXはマイナスになったまま。

 中国市場は上海も香港もマイナスで始まるが、日経平均が15400円台を回復した10時45分に中国の6月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表された。前回の49.4も市場予測の49.7も大きく上回る50.8で、6ヵ月ぶり50オーバーのポジティブサプライズ。豪ドルは急伸し上海はプラスに転じ、日経平均も10時55分に15442円まで上昇。TOPIXもプラスに変わる。それでも数分後には利食い売りに押され11時には15400円割れまで急落する。過熱感に加え「新・成長戦略」の閣議決定前なので上値はすかさず抑えられた。上海市場は伸び悩み、週明けのNY市場を確かめたいという月曜日ならではの事情もあり。11時台は15400円そこそこの水準で推移し前引は15405円だった。

 昼休み中にドル円が102円を割って円高が進行し、後場は15400円を割り込んで再開する。TOPIXは再びマイナス。日経平均も午後0時38分に瞬間マイナスにタッチする。その後は15360円プラスマイナス10円前後の小幅高水準が続く。1時台後半にマイナスに落ち、1時50分に15335円まで下がっても2時台にはプラスに戻した。2時に発表された5月の全国スーパー売上高は既存店ベースで前年同月比2.1%減。日経平均は小幅高の小動きが続いた後、2時30分前に再びマイナスにタッチしたが、終盤では小幅プラスの水準に戻した。しかしTOPIXは後場一貫してマイナスでNTねじれ現象が出現した。日経平均終値は19.86円高の15369.28円と小幅反発し日中値幅は107円。TOPIX終値は-1.44の1267.48と続落した。売買高は19億株、売買代金は1兆8216億円で、前週18日以前の薄商いの水準に舞い戻ってしまった。

 東証1部の値上がり銘柄は929で全体の51%を占め、値下がり銘柄は715。33業種別騰落率は上昇18業種、下落15業種。プラス上位は石油・石炭、非鉄金属、金属製品、空運、精密機器、鉄鋼など。マイナス下位は情報・通信、証券、電気・ガス、パルプ・紙、輸送用機器、陸運などだった。

 日経平均採用225種は値上がり124銘柄、値下がり85銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+13円、2位はオリンパス<7733>で+6円。マイナス寄与度1位はソフトバンク<9984>で-20円。2位はKDDI<9433>で-5円だった。

 メガバンクはみずほ<8411>値動きなし、三菱UFJ<8306>4円安、三井住友FG<8316>4円安。証券セクターは低迷し、野村HD<8604>は11円安、大和証券G<8601>は8円安。売買高、売買代金とも2位のアイフル<8515>は26円高で年初来高値更新。自動車大手のトヨタ<7203>は49円安で4日ぶりに反落し、メキシコ工場で小型高級車をダイムラーと共同生産と報じられた日産<7201>も売買代金10位と買われ前場に年初来高値を更新したが、後場下落して15円安。ホンダ<7267>は23円安だった。

 電機大手はソニー<6758>11円高、パナソニック<6752>10円安、日立<6501>4円安、シャープ<6753>と東芝<6502>が値動きなしとまちまち。コニカミノルタ<4902>は業務用印刷コンサルティング事業でオーストラリアの大手企業を買収と報じられ21円高。オリンパスは170円高で年初来高値を更新し値上がり率16位。ゴールドマンサックスが「買い」の投資判断とコンビクションリストを維持し、シティGも好意的なレポートを出していた。キヤノン<7751>は売買代金14位で2円高だった。

 アルストム買収はフランス政府がGEの新提案を支持して決着し、シーメンス・三菱重工<7011>連合は敗れた。これで財務上の懸念がなくなったとみられ三菱重工は8円高。コマツ<6301>はキャタピラーの株価上昇に中国PMIの50超えサプライズが加わって29円高。日立建機<6305>は40円高、ファナック<6954>は100円高だった。