トヨタは、新しいサービスとして「人、クルマ、家、そして社会をつなぎ、心ときめく豊かなスマートモビリティー社会を実現する」従来のテレマティクスサービス「G-BOOK(ジーブック)」を一新し、新テレマティクスサービス「T-Connect(ティーコネクト)」を発表した。同時に、T-Connect対応ナビシステムを発売する。
T-Connectの通信サービスは、新開発の音声対話型「エージェント」と、カーナビゲーションにアプリケーションソフトを追加できる「Apps(アップス)」、及び、従来のG-BOOKで提供の安心安全サービスや情報サービスをまとめた「オンラインケア」で構成する。
ドライバー向けの音声対話型「エージェント」は、口頭でナビの目的地設定やニュース情報の検索、車両の取り扱いに関する問合わせなどが行なえる「音声対話サービス」。走行履歴情報のビッグデータから自車の行き先を予測して、そのルート上の事故、渋滞、天候、路面情報、燃料の残量に応じた給油場所などを先読みして音声で案内する「先読み情報サービス」を提供する。
このサービスでは、ユーザーの嗜好を登録しておくと、予測ルート上に存在する好みのお店やイベント情報なども紹介する
「エージェント」の音声対話システムは、G-BOOKで好評の有人オペレーターサービスを自動化したロボットオペレーターサービスで、ドライバー向けに開発されたサービスだ。
例を挙げると「○○道路沿いの蕎麦屋に行きたい」、続いて「今の時間、営業している駐車場のある店を探して」などといった高度な目的地検索に対応している。また、用件がうまく伝わらない場合には、有人オペレーターに用件が転送されドライバーの要請に確実に応えるシステムだ。
ナビにアプリを追加する「Apps」は、走行データや車両データと連動するアプリを、T-Connectナビにダウンロードして利用できるサービスだ。「T-Connectアプリストア」には、ドライブアシスト(運転支援)、インフォテイメント(情報&娯楽)、コミュニケーション(交流)、ライフサポート(暮し)の4分野で様々なアプリが提供される予定だ。
また、一般企業がこれらのアプリを開発し提供元となるための「TOVA(トーバ)/Toyota Open Vehicle Architecture」と呼ぶ、オープンな開発環境が用意されており、アプリ開発希望者にはソフトウェア開発キットである「SDK/Software Development Kit」が提供される予定。開発したアプリはトヨタの認証を経て、T-Connectアプリストアから一般ユーザーへ提供でき、必要であれば有償アプリ向けの課金システムも適用可能だという。
従来のG-BOOKの緊急通報サービスや渋滞回避ルート案内、地図データ更新などのサービスは継続する。また、交通情報サービスでは、従来の収集データに加えて、全国を縦走するトヨタの物流車両の走行データをリアルタイムに反映させ、情報密度のアップを図り、迅速で正確な交通情報を提供する。
また、家電メーカーのパナソニックと協働で、新しいスマートハウスにおいてクルマと家電をつなぐ次世代テレマティクスサービスの開発で協力関係を構築し、お互いのクラウドをつなぐインターフェースの開発を進めている。クルマの位置情報と連動して、出かける際のエアコンの切り忘れ通知、帰宅前にエアコンの起動を行なうなど、新しいサービスの実用化に向けて準備を進める。
エージェントやオンラインケアのサービスは「T-Connectスマホアプリ」により、スマホからでも利用可能。T-ConnectナビとT-Connectスマホアプリの併用で、マイカーの燃費、走行距離、目的地などの走行履歴データをスマホやタブレット端末で管理できる「マイカーログ」、駐車場でクルマを降りた後でも、最終目的地まで経路案内する「ラストワンマイル」などのサービスが受けられる。(編集担当:吉田恒)